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消費者庁、ネット上の不当表示に対応強化へ

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広告表示の方向性、有識者集めて検討

消費者庁は13日、「インターネット消費者取引研究会」の第6回会合を開き、インターネットを活用した消費者取引の課題整理と対応策の検討を行った。ネットを通じた商品購入やサービス利用の広告表示や取引条件・契約内容の表示、決済、トラブル対応に関わる論点が挙げられた。構成メンバーは、楽天やヤフーなどのネット事業者や、関連の協会団体、消費者団体などが顔を揃える。

広告表示では、インターネット取引の特性を踏まえつつ、不適切な広告表示や法違反行為への厳正で迅速な対応が方向性に掲げられた。これに対し、構成員の岡村久道弁護士(国立情報学研究所客員教授)は、「販売実績のない価格で半額をうたうなど、不当な二重価格表示を行う例が最近取りざたされている。販売事業者に向け、分かりやすい情報開示・啓発を行い、知らないでは済まされない体制を作るべき」と指摘した。また齋藤雅弘弁護士は「公正取引委員会が作成した資料があるが、事例が古いので更新する必要がある」とした。広告表示にかかわる規制のあり方については、基本サービスは無料で、追加サービスに課金するビジネスモデルについて、「無料」という表示の妥当性に見直しが必要であることも挙げられた。

前払いクーポンを共同購入することで割り引くサービスや、無料ゲーム内で追加課金を行うサービスのほか、インターネット上でEC(電子商取引)サイトを運営する「モール事業者」の問題は、「日々、多くの案件が寄せられており、実態としてネット取引の課題として大きい」(東京都の松下裕子消費生活取引指導課長)。個々の販売事業者の広告表示では、今回の検討案に「不当なものについては排除や当局への通報、販売事業者への啓発活動」を求める項目が盛り込まれた。これには、楽天の関聡司広報渉外室室長や、ヤフーの別所直哉法務本部長らが難色を示した上で、「明確なルールを当局で提示してほしい」(関室長)、「悪徳事業者の企業名など、当局からの情報開示を得られれば、対応の速度や幅が広がる」(別所本部長)との意見を述べた。

同研究会は、年度内に残り2回の会合を開き、具体案のとりまとめを行う。