CSR視点で広報を考える

「噂」と「事実」の垣根が崩壊寸前

情報世界のエスピオナージ(諜報)は現実の危機

緊急事態が長期化すればするほど、一般メディアはもちろん、2ちゃんねる、ツイッター、ブログなどの進化系ITメディアで書き込みやつぶやきが連鎖し、「噂」と「事実」が混同されやすくなる。「噂」が「事実」とまことしやかに記載された場合に、風説の流布となって、そのまま公然の事実として取り扱われてしまう事態に陥ることもある。

「噂」はネタ元が意図的かつ積極的に漏洩させるために、通常の情報よりも伝播が早く、しかもネタ元は怪情報として拡散を狙っているため、さらに止めるのは至難の業となる。この場合、誰が聞いても「ちょっとありえない!」ような情報まで敏感に反応する必要はないものの、真実に関係した情報が一部でも入っていることにより、錯誤を与える可能性があると判断した場合には、会社や個人は積極的に正確な情報を提供することでこれらの怪情報を効果的に打ち消すことが不可欠となっている。

「噂」とは、事実・風評・伝達情報・誤情報が混在していて公式なものとして扱えない状況下に発生し、利害関係当事者間に事実が伝えられていない間での不安・不審・恐怖・惑いの状況下で流布しやすい。

風評はたった3時間で広がる

一度拡散が始まると疑心暗鬼が支配する中で急速に伝播し、その方法がときとして悪意あるいは意図的に行われることで止めることが難しい。インターネットでの流布は、間違った情報でさえも、ネタ元はあたかも「機密情報」を握る満足感に酔いしれ、聞いた側はより真実性を帯びて風評を流す懸念が生じる。

現在、インターネットを使用して噂を流された場合の風評の伝播時間はおよそ3時間と考えられ、誤情報や真実の内部告発に起因する情報に対しては、より精度の高いスピーディな対応が求められている。

かつて「噂」の管理は、限定された人々・エリアで発生し、①「噂」が確認された日時、②「噂」が流れている地域・場所・人・グループ、③「噂」を直接聞いた人・話した人・ネタ元、④「噂」の概要・ポイント、⑤「噂」の目的・意図・動機(悪意性)、⑥「噂」の中の秘匿事実の有無(特定の人間しか知り得ない事実の有無)、⑦「噂」の拡散・伝播の早さ、の検証が重要で、よほどの影響がなければ具体的対策を打つことはなかった。

しかし、昨今、インターネットを通じて流布された情報は、瞬時に豊富な情報量を多くの人に伝播させるため、認識した側が千差万別な反応を示す中、放置すれば次々に情報が積み重ねられる過程で「真実の吐露」が紛れ込む事態も出てきている。こうした事態を見過ごせないと判断した場合には、2ちゃんねる、ツイッター、ブログなどにも対応を検討しなければならない状況が発生するものと推察される。

2011年、「噂」と「事実」の垣根が崩壊する時代が到来し、危機管理における情報管理者の存在がより重要性を帯びてきた。

白井邦芳「CSR視点で広報を考える」バックナンバー
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