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コラム

高広伯彦の“メディアと広告”概論

ソーシャルメディアの時代なので、クチコミマーケティングを再考しよう:3

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第二のクチコミの企み

前回説明をした「第一のクチコミの企み」は商品・サービスそのもののクチコミ能力だった。そして今回説明する「第二のクチコミの企み」がいわゆる広告/プロモーション領域でのクチコミの企画である。

私自身はクチコミは企むことができるし、しかもクチコミはコントロール可能だと考えている。ただし、コントロール可能なのはクチコミの企みをスタートさせるまでの間であって、実際に人々の間でクチコミが始まってしまえばそれをコントロールするのは非常に難しくなる。では、“コントロールできるクチコミ”というのは、どういうものか。

それはクチコミの企みの「公式」を頭に入れているかどうかから始まる。ただその前にクチコミマーケティングの中で言われる「バズ・マーケティング」や「バイラル・マーケティング」の考え方について話をしておこう。というのも、私はこの2つの言葉を別の性質のものとして考えているからだ。これを理解することがプロモーション的にクチコミを企画する思考に結びつく。

数年前、クチコミマーケティング系の言葉は広告業界の中でもそれ自体が「バズワード(流行ことば)」だったわけだが、「バズ・マーケティング」というのはどちらかというとクリエーティブや企画系の人々から出てきやすい言葉だった。「バズを起こす」というフレーズがいろんな所で聞こえてきていたが、それはいかに面白い映像を作るかということだったり、「話題作り」の部分に思考が行っていたように思う。しかし「バズ・マーケティング」の文脈は、「話題になるモノ」の企画であって、「それをどう拡げるのか」という視点はどちらかと言えば二の次になりがちだった。一方の「バイラル・マーケティング」というのは「どう(ウィルス的に)拡がるか?」の視点であるととらえている。(次ページに続く)