変化を楽しみ、分析する力
得丸英俊(電通レイザーフィッシュ代表取締役)
好きこそ物の上手なれというように、変化の激しいデジタル領域では、この変化の波を楽しめるかどうかが重要ではないか、と思う。とは言うものの、マーケティングの世界でITの活用が進むとともに、その手法や考え方の変化のスピードは増す一方だ。マーケターにとっては、過去の価値観や枠組みにとらわれない発想が求められ、学ぶべきことが増え続ける一方だと感じることだろう。
人は誰しも経験の中から、ある法則性を見いだすものだが、マーケターは人々の消費行動において、意識的に法則を見いださなくてはならない。まず、生活者としての自分の行動を分析するのが早道だ。
デジタルメディアでは、フィードバックを得ることが容易である。自ら情報を発信したり、流行りものに参加したり、積極的に行動に移してみよう。例えば、誰もが生活者としてデジタル化されたメディア環境の中で、何がしか楽しさを見いだしているはずだ。
ゲーム、SNS、動画サイト、グルメ情報等々、その中において新しいサービスや仕組みが出てくるたびにワクワクする気持ちがあるだろう。また、遊びや共有することの中から、新たな発見もあるだろう。なぜ楽しいと感じていたのかを半歩引いて考えてみよう。生活者と環境の変化の間にある、楽しさの秘密を見いだせるかもしれない。
自分の次は、家族や友達、同僚と、徐々に視野を広げてみよう。こうした行動を普段から継続的に行えるかによって、今の時代のニーズにこたえる分析や企画ができるかどうかの違いになってくると思う。
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(とくまる・ひでとし)
90年代後半から、いわゆるデジタルマーケティングの領域へ。09年に電通レイザーフィッシュの社長に就任、“Experience Innovation”をスローガンに、次世代Agencyのカタチを模索中。
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