位置情報と連動させることで、ユーザーの使い勝手を向上させる。
フェイスブックやツイッターなど、ソーシャルメディアを見ていると、特に投稿が目立つのが飲食に関する情報だ。ソーシャルメディアと飲食情報の親和性の高さ・・・。そこに着眼したビジネスの開拓が始まっている。昨年末に開設されたソーシャルグルメサイト「Retty(レッティ)」もそのひとつ。ツイッター、フェイスブックのアカウントを持っている人であれば無料で利用できるサービスだ。
自分が行ったお店を投稿し、共有できるほか、自分と趣味嗜好の合う人を見つけて、フォローし、さらに気になったお店があれば自分だけの「行きたい店」リストをつくることができる。9月末時点で登録者数は約1万2千人。この事業を立ち上げたのは、武田和也氏だ。ネットエイジにてモバイル広告事業に携わったのち、起業をめざし渡米。サンフランシスコで1年間、事業構想を練った末、たどり着いたのがレッティだった。
「ソーシャルメディアが浸透したら何が変わるのか。もっとも変化の大きな領域であれば、これまでのビジネスとは異なる新たな事業の可能性があるはずと考えていた」と武田氏。そこで目を付けたのが、ツイッター、フェイスブックで日々大量に投稿される飲食情報だ。「自分自身が従来のグルメサイトでは行きたいお店がみつからないと感じていたことも新しいお店の見つけ方を提案するレッティ開発のきっかけ」と武田氏。さらに「点数による評価ではなく、共感できる人を介してお店を探せるサービスを目指した」と続ける。
まずは10万人を目標に登録者数を増やすことに専念。その後は、「行きたいお店が可視化」されていることを活かした飲食店向けのサービスを事業の柱にしていきたいと考えている。「自分が『行きたい』と思っているお店からオファーがあれば、実際に足を運ぶ可能性も高まるはず」と武田氏。さらには飲食店とお客さまとの最初の接点を作るだけでなく、飲食店のCRM活動の支援につながる、既存顧客との関係づくりの場になるような展開も模索しているという。
10月にiPhoneアプリもリリースし、位置情報と連動させたお店探しができる機能も強化。ソーシャルメディア時代の新しいグルメサイトを目指していく。
(本記事は、「宣伝会議」2011年10月15日発売号 業界マーケティング特集② -情報発信力でネット口コミを味方に「飲食業界のプロモーション」に掲載されたものです)
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