他社とノウハウの共有も視野
花王は13日から、一社提供番組「A-Studio」(TBS系列)で字幕付きのテレビCMを出稿する。地上デジタル放送の一機能として視聴者が字幕の有無を選べる、クローズド・キャプション方式を採用した。放送予定期間は3月末日まで。同期間に放送されるブランド数は50程度を想定している。4月以降の放送は未定だが、同社Webサイトでは約150品目の字幕付きCMを視聴できる。同社は2011年夏にもフジテレビジョンで試験放送を実施した。
字幕付きCMは2010年3月22日、パナソニックが提供番組「ハンチョウ」(TBS系列)で60秒のCMを放送して以降、同年7月に富士通、11月にライオンが試験的に実施した。翌11年3月には東芝やトヨタ自動車ほか5社が、日本テレビ系列の特番での試験放送に参加した。
日本民間放送連盟が2010年2月に字幕付きCMのワーキンググループを設け、翌11年9月に試験放送に関する留意事項を取りまとめたほか、在京5局が試験的に受け入れ体制を整えるなど、字幕付きCM放送のための整備は進んでいる。しかし、各局で字幕方式が異なったり、考査の段階が増えたりするなど、新たなワークフローを設ける必要があるため、字幕付きCMを一般的なCM同様に放送するには、まだ道のりは遠い。
花王は社内の制作部署で字幕を入れる位置、書体、色など、仕様の試行錯誤を重ねてきた。字幕付きCM普及に向け「他社にも必要があれば制作ノウハウを公開する」(同社広報)としている。
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