大きく価値観が変わった2011年。企業は自社の活動をさまざまな面で見直しを図ることになった。その中で経営の中枢として活動する企業の広報部門はどのような方針を掲げ、2012年のスタートを切ったのだろうか。
雑誌「広報会議」2012 年3月号では企業210社の調査とあわせて、大手企業を中心に広報部長60人に「2012年の広報部の方針・テーマ」について聞いた。その中で、多くの企業から挙がってきたキーワードは、「ブランド」「グループ広報」「グローバル」「ステークホルダー」「CSR」。
中でも以前より目立つようになったのは「グループ広報」だ。具体的には、「グループの総合力をどう見せるか」「グループブランドの向上」「グループ企業としての発信」「新たなビジョンのグループ内への浸透」「グループ員一人ひとりが広報に」「グループ全体の企業価値の向上」「グループ内の一体感と求心力向上」という声が挙がっている。
企業210社の調査でも、「広報活動の目的」としても「グループ広報」は意識が高い。「グループ社員のモチベーション向上と、各ステークホルダーにおける正しいパーセプション形成」(陸運業)、「グループブランドの発信、グループブランドの内部理解浸透、事実発信を通じ、グループの事業理解を促進」(情報・通信業)、「グループ会社の情報に関して、対外的により効果的なアプローチを行い、露出度認知度を高めていく。社内でのグループ間の情報共有を促進させて、コミュニケーションを高めることでシナジー効果を高めていく」(食料品)というように、社内だけではなく、グループ内でのインナーコミュニケーション活動が必要になってきていることが明らかになった。
また、60人の広報部長に「2012年に注力したい広報活動」を聞いたところ、次のような結果になった。1位はメディア対応35%(41社)、2位はグローバル広報16%(19社)、そして3位は社内広報14%(17社)。以降は、ソーシャルメディア活用8%(9社)、IR7%(8社)、ブランド管理7%(8社)、CSR・環境6%(7社)、リスク管理5%(6社)と続く。
メディアリレーションについては力を入れる一方、新たな課題が浮かびあがってきた。最近では企業側の体制や発信内容の問題だけではなく、メディア側の問題による影響が大きくなっている。「記者の社内異動の際の引き継ぎが少ないため、新人には一から関係作りが必要になる」、「担当期間が短く、記者との信頼関係が築きにくい」、「新聞の発行部数が落ちており、広報効果も落ちてきている」、「メディアの数、記者の数も減少傾向にある」。部員だけではなく、記者をどう育てるかも、企業が社会に広く情報発信していく上で欠かせない仕事の一つになりつつあるようだ。
調査の全貌は、雑誌「広報会議」2012年3月号の「企業210社に独自リサーチ 成長企業の広報戦略」をご覧ください。
【シリーズ】企業広報部210社の調査レポート
② 広報部永遠の課題は、ソーシャルメディアも含めた「効果測定」
① 「ソーシャルメディアに取り組みたい」広報部が、積極的に取り組めない理由
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