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「いま、行かないと」購入意欲をくすぐるクーポン 販促NOW<MOBILE APPLICATION>(2)

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ケータイ・スマートフォンジャーナリストの石川温氏が注目するアプリを紹介。ここでは、『販促会議』2013年2月号の記事を掲載します。

石川 温(いしかわ・つつむ/ケータイ・スマートフォンジャーナリスト)
1999年に日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。『日経トレンディ』編集記者を経て03年に独立後、ケータイ・スマホ業界を中心に執筆活動を行う。メルマガ『スマホ業界新聞』(ニコニコ動画)を配信中。

「ロッテリア公式アプリ」

スマートフォン向けに情報発信する最大のメリットは「時間」と「場所」を自在に操れるという点に尽きる。ユーザーは常にスマートフォンを所有して行動している。

そのユーザーに対し、リアルタイムで情報を発信し、さらにすぐに店舗に来店してもらうことが、簡単に行えるようになってきた。

2012年11月28日、ハンバーガーレストラン大手「ロッテリア」が、公式アプリをリリースした。競合他社に比べると公式アプリのリリースは遅いタイミングではあるが、かなり個性的な機能を搭載してきた点が、業界からも注目されている。通常、飲食店が提供するアプリはクーポンの配信が「基本機能」として位置づけられているが、ロッテリア公式アプリでは、そのクーポンを店舗や時間を限定した上で配信しているのだ(会員限定のクーポンも別途用意)。

ユーザーはトップ画面にある「店舗・時限クーポン検索」を押す。すると現在地が表示され、周辺のロッテリアが地図上に現れる。店舗の位置を示したピンをタップすると、その店舗で配られているクーポンの内容と来店時間、残り枚数が表示される仕組みだ。特に来店時間が限られており、さらに枚数も限定というところがミソだろう。普通のクーポンだと「あとで、時間のあるときに使おう」という気になるが、時間と枚数が限られていることで「いま、行かないと」という気持ちになる。購入意欲をくすぐるという点では実に良くできた仕組みだ。出先であっても、地図があるので、最寄りの店舗を探しやすい。また、頻繁に訪れるお気に入りの店舗がある場合には、あらかじめ登録しておけば、その店舗が時限クーポンを配信したときに分かるような仕組みも備わっている。

LOTTERIA

トップ画面からはツイッターやフェイスブックなどのSNSへの共有もできる。検索マップでは最寄りのロッテリアを調べることが可能で、慣れない土地勘の場所でもすぐに探せるのが便利だ。また時限クーポンによってかなりお買い得にバーガーやドリンクを買うことができる。時間が限られているので、ついつい店に行きたくなる。

ここ最近、コンビニやファストフード店などがスマートフォンユーザーに向けてクーポンを配信するシステムとしては、無料通話アプリである「LINE」の公式アカウントを使うというケースが増えている。こちらもタイミング良くユーザーにクーポンを届けられるという点が支持されている。LINE に公式アカウントを設けるというのは、比較的、企業としても手軽に導入できる仕組みだと言えるだろう。

ロッテリアのように専用の公式アプリを配信するというのは、やや敷居が高いものの、ユーザーの顧客満足度を上げ、来店を促進するという点では必須の取り組みと言えそうだ。

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