東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系は、大学院への入試希望者の増加を目指すプロジェクト「THE SCIENCE THINKER」を開始した。理系の基礎研究者が減少し、また学内でも理学部が競合になる中、相関基礎科学分野の研究テーマを分かりやすく伝えることで差別化を図り、入学希望者を増やす狙いがある。
プロジェクトは相関科学系研究室の大川祐司准教授が中心となって企画し、博報堂ケトルの神谷準一氏、アーティストの伊勢裕人氏らが協力している。
特設サイトには、“考える人”の周りに相関基礎科学分野のキーワードが浮かび、キーワードにカーソルをあわせると関連する10のキーワードが“化学反応”を起こし、関連テーマを扱う研究室の紹介が現れる。
相関基礎科学系の約50の研究室では、科学史・科学哲学から、素粒子、原子・分子などの高次構造体までを対象に、広範かつ最先端の物質科学研究を行っているが、「学生にとっては学問の密林状態で研究テーマを選びづらい。このような取り組みを通じ、研究テーマのヒントを提供したい」(プロジェクト事務局)。
14日には記者を招き、東京大学駒場キャンパスでプロジェクトのオープニングイベントを実施した。2.4メートルの“考える人”をモチーフにした多面体のオブジェに、プロジェクションマッピングで相関基礎科学分野のキーワードを投影した。
入試希望者にPRする目的で記者発表会を行うのは初の試みで、約半数の大学院生が学外からの応募者であることからこの取り組みに至った。
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