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コラム

CSR視点で広報を考える

facebook今さらながらひっかかってしまうなりすまし手口

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なりすました友人からの友達申請は要注意!

先日、既に友達承認している親しい友人と思われる人物から、友達再申請が私のfacebookアカウントに届いた。ここでは、仮に、その友達申請してきた人物を「白井正治」という名前の人物と設定しよう。ここで重要なのは、「白井正治」と名乗る人物は、私の知人には存在しておらず、実際の友人の名前は「白井正次」であった。この事例では、その人物から「白井正次」本人の友人全てに友達申請がなされていた。

しかも、「白井正治」のfacebook情報は、基本情報や写真などを含めて「白井正次」本人のものと寸分変わらない。恐らく、私のように本人と相当に親しい関係になければ、最後の名前の漢字「治」と「次」の違いすら気づかず、何らかの理由で2番目のアカウントを本人が作成したのだろうと勝手に推測し、すぐさま「承認」ボタンを押してしまう人たちも多くいただろう。実際、本人アカウントがfacebook事務局の判断で使用制限され、待機期間の長さや利便性の悪化から2番目の本人アカウントを作成し、最初のアカウントで友達になっていた人物に友達再申請する事例もめずらしくないからである。

この事例では、恐らく何の疑いもなく、友達申請後12分で10人以上の「正次」の友人達が、「正治」からの友達申請を承認してしまっていた。「白井正次」本人は、経営コンサルタント会社を運営し、友人の多くはクライアント企業の経営者であった。彼の友人達の多くが彼らの友人情報やウォールの内容を「公開」ではなく、「限定的開示」としていたため、詐欺的行為を目的としてネット上で近づこうとしても、直接彼らへアクセスすることは難しい状況にあった。そこで、彼ら経営者の共通の友人で、経営コンサルタントである「白井正次」のアカウントが、全て友達欄を含めて「公開」とされていることに目を付けられた。

本事例では、「白井正治」の基本情報の連絡先情報内にある「メールアドレス」が一般的な「shoji.shirai@facebook.com」ではない、全く別人のアドレスが記載されていたことから、なりすましと想定、さらに、「白井正次」本人への確認と「白井正次」の友人達が「白井正治」アカウントの友達欄に次々に名前が連なっていく状況から「白井正次」の友達全員への申請がなされたものと判断した。さらに、「白井正治」の友達となった人物と私のアカウントにおける「共通の友達」は多くが「白井正次」1人に限定されていることなどから友達間同士のつながりはなく、「白井正次」のみでヒモ付けされて申請されたことが確認された。

現在、私の知人である「白井正次」は、「白井正治」アカウントに友達承認してしまった全ての友人に対して、以下のメッセージを送付し、注意喚起を図っている。また、当該なりすましのアカウントも閉鎖された。

「白井正次」からの注意喚起連絡です。Facebookで最近私の友人達に友達申請している「白井正治」なる人物は、私=白井正次とは何の関係もない「なりすまし人物」ですので、至急友達解消されると共に不用意なメッセージ交換をされないようにご注意下さい。既に多くの私の友人とつながっていました。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

また、同種のなりすまし事例を検証してみると、これまでに以下のようななりすましの特徴が確認されている。

  • なりすます相手の名前の最後の漢字だけを違う漢字にしている
  • ローマ字表記事例では「sugisaka」と「sugisaki」のように、最後の「a」と「i」だけの違いだけのことが多く、漢字表記以上に、一目見ただけでは別人物とは特定しづらい状況になっている
  • なりすます相手の本人アカウントの情報は全て「公開」となっている
  • 本人のウォールの記載内容から、友達とのつながりの強い人物がターゲットとして狙われやすい
  • 本人の友達には経営者が多く、なりすまし者にとって利用したい人物や情報が比較的集約されている
  • 本人職業は、「コンサルタント業」「会計士」「弁護士」「税理士」などで、企業経営者との接点が多い専門的職種を営む者がなりすましの対象となりやすい

本事例を中心としたなりすまし行為は、自らのアカウントのセキュリティをしっかり実施していたとしても、承認してしまった友達を偽装して色々なアクションを展開してくるので、注意喚起が必要である。

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