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コラム

楽天大学学長が語る「EC温故知新」

81歳の店長にファンクラブができる風呂敷専門店のコンテンツマーケティングとは?

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さて、お題です。

【問】これは、風呂敷でなにを包んでいるのでしょうか?


(考えタイム)

ちっ





ちっ





ちっ




ぼーん!

正解は、「iPad」でした!

2000年から楽天市場に出店している「ふろしきや」さんのページのコンテンツです。

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上の写真で「手の出演」をしているのは、「ふろしきや」の店長・倉田千恵子さん(81歳)。楽天出店時は69歳で、ワープロも触ったことがありませんでした。



店舗運営の実務を担当するのは、息子であり社長の倉田稔之(としゆき)さんですが、千恵子店長には「倉田千恵子ファンクラブ」のような公式ではないコミュニティができており、個人的にメールがきてやりとりすることもあるといいます。

「母は、受注処理は誰にもやらせない。これは私の仕事、という感じで楽しいみたいです。そういう意味ではホント楽天さんのおかげで、生き甲斐ができました。」(稔之社長)

「ふろしきや」さんは名物企画「シルエットクイズ」で、「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2003特別賞」を受賞しています。「シルエットクイズ」というのは、冒頭のように風呂敷で何かを包んだ写真をアップして、「何を包んでいるでしょうか?」というお題を出す、クイズ形式のプレゼント企画です。

ちなみに、第1回目は引っ掛け問題だったそうです。
「Jリーグが流行っていたので風呂敷でサッカーボールを包んでおいて、横にお塩を置いておいたんです。そしたらみんな『スイカ!』って(笑)」(稔之社長)

・・・茶目っ気たっぷりです。

受賞した2003年当時のEC界の状況を思い返すと、メールマーケティングの絶頂期。プレゼント企画は、とにかく応募数(=メールアドレス数)が集まるように、人気ゲーム機や液晶テレビなど、自店舗の商材とは関係ない賞品で展開をするネットショップも増えた時代でした。なお、プレゼント企画をクイズ形式にすると、手間がかかるぶん応募数が減るため、「応募数重視」のショップはクイズ形式など眼中になかった時代です。そんななか、「ふろしきや」さんは、お客さんとの交流を大切にして、「シルエットクイズ」をやり続けていたのでした。

「たしかオープン6周年のときには、究極の企画として店長を包みました(笑)。170センチの大判サイズだったかな。そんなことを100回以上続けたら、もう家じゅうのモノをほとんど包んじゃって、包むモノがなくなったので、今は中断しているところです。」(稔之社長)

・・・中断の理由もお茶目です。

冗談半分な感じもするこの企画ですが、最初の発想はいたって真面目です。お客さんから、「風呂敷でどんな大きさのものが包めるんですか?」という質問が結構あったのを解決するためのアイデアとして生まれたものなのでした。

(次ページヘ続く)