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コラム

「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

広告“枠”買いから、広告“コンテンツ”買いへ。

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谷口マサトさんのコラム連載
 「「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門
 「続・「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

はじめまして。LINEで広告企画のプロデューサーをしている谷口マサトです。

自社アプリ「LINE」では企業向けの公式アカウントの企画・制作をいくつか担当しており、自社メディア「livedoor」では、ソーシャルメディア上でバズる記事広告を求められた時に、企画の提案から、撮影ディレクション、文章のライティングまで担当しています。

担当しているクライアントは、金融・メーカーから映画・ゲームなどのエンタメ企業まで幅広いのですが、特に最近ヒットしたのは映画の記事広告です。記事が当たれば短期間で拡散するため、映画公開などの告知は相性がよいモノの一つです。

実際に最近担当した、6月5日にDVDが発売された映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(PR担当「廣洋社」との共同企画)や最近の映画『グランド・マスター』(PR担当「シネブリッジ」との共同企画)の広告は、いずれも数千単位でtwitterやfacebookでシェアされ話題になりました。

ソーシャルメディアで、わざわざ「広告」を友だちに紹介する人は少ないと思います。シェアされるには、「これは広告というよりコンテンツだ」と思われることが必要です。この連載では、具体的にどんな作り方をすればシェアされやすいのかをご紹介していきたいと思います。

まずは、それぞれの企画をご覧ください。

【映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のPR】
大阪の虎ガラのオバチャンと227分デートしてみた!

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【映画『グランド・マスター』のPR】
OL八極拳!オフィスでの護身術から恋愛術まで、中国拳法を日常生活で使ってみた。

また上記を含め、過去に担当した企画をこちらにまとめています。

企画によって当たり外れはありますが、シェアされやすい記事の書き方を工夫した結果、最初は数十のシェアだったものが、数百、数千と、年々シェア数とヒットする確率が上昇していきました。

いくつかの記事を見れば気づくと思いますが、いずれも、オリジナルコンテンツと広告をミックスさせた作り方をしています。ネットではユーザーに主導権があるため、従来のテレビ番組とCMのようにコンテンツと広告が分かれていると、広告はスキップされるか排除されてしまうからです。

そもそも「広告枠」は、ユーザーがコンテンツを楽しむのが“不便”だったから成立していたものだと思います。下のイラストのように、従来はコンテンツを楽しめるメディアが限られていたため、道を塞ぐハードルのように“広告枠”を作れました。

言い方を変えると、「コンテンツの種類、視聴する時間・場所に制限がある」という前提がないと広告枠は成立しません。そして現在、ユーザーはスマホで好きなコンテンツを好きな場所、時間で楽しめます。つまり成立条件は、今後どんどん無くなっていきます。

そして従来の広告では、強制的に広告を見せることができたため、広告とコンテンツが別物でも効果がありました。しかし今後そうはいきません。であれば、コンテンツと広告を一体化して楽しんでもらい、その代わりに拡散してもらった方が自然ではないでしょうか。

たとえて言うと、広告枠という強制的なハードル競走のモデルから、ユーザーの自発的なシェアにゆだねる、いわば自由な鳥に果実を食べに来てもらうようなモデルへと転換していくことはできないでしょうか。広告“枠”ではなく、広告が含まれた“コンテンツ”を作るのです。

こう書くと、「これまでに雑誌などでタイアップ広告は散々やってきたよ…」と思う方も多いと思います。それらは参考にはなるのですが、そのままネットに転載してもシェアされないと思います。今後の回で詳しく説明していきますが、ネットの場合、雑誌のタイアップよりもコンテンツの比率を増やし、宣伝する商品とのあいだに一線を引く必要があります。

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