幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。ここでは編集部が特に注目した講演にスポットを当て、そのレポートをご紹介します。
講演者:三宅隆介(日清食品 マーケティング部 第3グループ マネージャー)
日清食品は昨年7月に、フェイスブック、LINE、ツイッターでの情報発信をスタートした。同社では、フェイスブックは情報拡散、LINEは認知度向上、ツイッターは瞬発力ある情報発信というように、目的によって活用するメディアを使い分けている。しかし、「すべてのゴールは『マインドシェアの最大化』、つまり、いかに商品を消費者の頭の中で上位表示させるか」であると、同社マーケティング部の三宅氏は繰り返し強調した。
講演では、今年8月に発売55周年を迎える「チキンラーメン」のコミュニケーションをテーマに、フェイスブックを中心とした約1年間のSNS活用とその効果について、事例を挙げて紹介した。
フェイスブックでの情報発信は、毎月初めに翌1カ月分の投稿内容を細かく検討し、その後投稿する文言や画像・映像の絵コンテなどを作成、随時撮影・制作している。「チキンラーメンのような大衆消費財にとっては、ファン数を増やすことよりも、エンゲージメント率を高めることが重要」(三宅氏)とし、「いいね!」を多く得てから拡散すること、また切り口は多岐にわたっても、最終的に「商品のおいしさ」「購買につながる情報」といった最も伝えたい情報を伝えられているかという点を重視し、投稿の内容やタイミングを考えているという。「勝負は1秒」をキーワードに、「画像だけでも理解できる」「シェアしたくなる内容」「可能な限りリアルタイムで」など、投稿に際してのポリシーも細かく設定している。
こうした取り組みの結果、昨年は、フェイスブックの企業アカウントにおけるファン数、「いいね!」数、コメント数、シェア数を合わせたエンゲージメント数ランキングで6位にランクイン。7月からわずか半年間の取り組みでこれだけの成果を挙げたことには、「1位も十分狙えるはず」と自信をのぞかせた。
そのほか、LINEのスタンプやツイッターのハッシュタグを活用した発信により、キャラクターの露出、生活者との接触を瞬発的に最大化することにも成功。こうした数々の取り組み事例を紹介しながら、「チキンラーメン発売55周年に向けて、日々変化するメディア環境を見極めながら、さらなる話題性獲得に向けた準備を進めている」と話した。
「これからのマーケティングに求められること」
をテーマに、コメントをいただきました。
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三宅隆介(日清食品)
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