今年6月、富士山が世界文化遺産に登録されたことを受け、認定NPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」は、新たに文化コンテンツによる寄付・保全プロジェクト「富嶽三十六」プロジェクトを発足すると発表した。
同NPOは2005年に発足し、これまで富士山を世界遺産にすることを目標に基金の設立、シンポジウムの開催、キャンペーンロゴやキャラクターの開発などを行ってきた。このたびの登録決定を受け、新たな活動方針を、富士山を世界遺産として存続させるための活動を推進することと定め、新方針によるプロジェクトの第一弾として発表した。
「富嶽三十六」プロジェクトは、書籍やスイーツ、プロダクトなど、富士山にまつわるコンテンツをカテゴリーごとに36個選定、その売上げの一部を富士山保全のための寄付にあてることで、未来に富士山を引き継ぐ“文化コンテンツ寄付レーベル”。名称は、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」から。
プロジェクトに認定されると、同NPOが申請中の商標「富嶽三十六」や専用ロゴマークを使用できる。初年度には書籍レーベル「富嶽三十六冊」や音楽レーベル「富嶽三十六曲」、プロダクトレーベル「富嶽三十六プロダクト」、スイーツレーベル「富嶽三十六スイーツ」など6つのレーベルを予定。「富嶽三十六冊」は角川グループの電子書籍レーベル カドカワ・ミニッツブックと、「富嶽三十六曲」はTOKYO FMと共同で展開するなど企業とのコラボレーションを積極的に推し進める。プロジェクトは今後、順次増やしていく予定。
7月12日には、富士山の世界文化遺産登録を祝う集いが都内で開かれ、同NPO会長の中曽根康弘元首相や山梨県 横内正明知事、静岡県 川勝平太知事らが参加。登録の喜びや今後の活動への意気込みが語られた。このプロジェクトを通じ、今後、富士山を保全活動としても日本一、世界一の山とし、未来のモデルケースとすることを目指す。
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