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コラム

楽天大学学長が語る「EC温故知新」

なぜネットで「部屋の壁紙」が月商1億円も売れるのか?

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いきなりですが、クイズです。

【問】ネットショップで「部屋の壁紙」を売って、月商1億円まで急成長しているお店があります。さて、どんなお店でしょうか?

(1)初心者のお客さんに壁紙の貼り方を教えながら売るお店
(2)全国のインテリア業者と派遣サービスの提携をしているお店
(3)世界中を真っ白な壁で埋め尽くすことをビジョンにするお店

(考えタイム)

ちっ





ちっ





ちっ





ぼーん!

正解は、(1)「初心者のお客さんに壁紙の貼り方を教えながら売るお店」です!

これは、楽天市場に出店している「壁紙屋本舗」というお店です。取り扱っているのは、壁紙をメインにしたリフォーム用品。職人を派遣するのではなく、お客さんが自分で施工する「セルフリフォーム」を基本コンセプトにしています。

本社は大阪にあり、「楽天市場ショップ・オブ・ジ・エリア2012関西エリア賞」を受賞するなど、楽天市場を代表するお店の一つです。

私が「ネットで壁紙をたくさん売っているお店がある」という話をすると、たいていの場合、まず「業者用なの?」と聞かれます。「いいえ、お客さんが自分でのり付けしながら貼るんです」と言うと、「は?」という顔をされることが多いです。

では、実際にどんな売り方をしているのでしょうか。

ページを見てみると、目に飛び込んでくるのが「全人類職人化計画」というフレーズ。「全ての人が職人のようなリフォームができるように『プロの技』を誰にでもわかりやすく説明していきます!」というリードがあり、ページには動画を活用した「壁紙の貼り方」など、数十ページを超えるコンテンツが用意されています。

また、お客さんから寄せられた300件近い事例が掲載されている「セルフリフォーム事例」のページや、「貼ってもはがせる賃貸物件向けリフォーム情報」のページなど、「全人類職人化」のビジョンを掲げるだけあって、かなりの充実ぶりです。

ここまでは、「ネットショップの施策」として想定の範囲内かもしれません。しかし、ウェブサイトのコンテンツを充実させるだけでは、全人類職人化はなかなか進みません。そこで、「壁紙屋本舗」が力を入れているのが「ワークショップ」です。

リアルの「壁紙の貼り方教室」を開催。参加者は1万人超える

「壁紙の貼り方教室」が最初に企画されたのは、4年前。当初はまったくといっていいほど参加者が集まらず、自分たちでビラを配ったりもしていました。
「とにかく続けることと、教室の募集ページのレビューが重要なので集めていくこと、あとはとにかく楽しんでもらえるように気をつけています」(林耕一郎店長)

現在では、全国各地、月1回ペースで教室が開催されています。ちなみに、2013年7月20日(土)には、全国8会場(東京・大阪・名古屋・愛知県刈谷・富山・三重・滋賀・岡山)、午前・午後の2回転で開催され、各会場ともほぼ満員御礼となっています。参加費は有料(1名1,500円)です。

通算の参加者数は、大きな展示会でのブース開催なども含めると「1〜2万人になると思う」(濱本廣一社長)とのこと。また、「壁紙を貼ったことがない人、壁紙を貼りたい人が集まって、お客さん同士でコーディネートの相談が始まったり、壁紙をその場で買って帰られる方が多くいらっしゃいます」(林店長)ということで、人類の職人化は着々と進みつつあるようです。

「壁紙の貼り方教室」の様子。カラフルで多様な模様の輸入壁紙が使われています。なお、この背景の壁、「スクラップウッド柄の壁紙」が貼られていることに気づかれた方はいらっしゃるでしょうか?

この事例を通して、私が大切だと思うのは次の3つです。

≫次ページ その大切な3つとは何か?