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今だからこそ求められる文章力(1)―書く力とは、考える力

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本連載は、2月15日に開講する「文章力養成講座」の開講にあわせて掲載します。

【連載】今だからこそ求められる文章力


古賀 史健(フリーランスライター/編集者)

文章力ってなんだろう?

日本語には「単語のお尻に『力』をつけると、それらしい言葉に聞こえる」というおもしろい特徴があります。単語力、会話力、仕事力、監督力、日本語力、情報力……。

冷静に考えると「情報力」なんてよくわからない言葉なのですが、なんとなくわかった気にさせられるから不思議なものです。そこで今回、みなさんと一緒に考えてみたいのが「文章力」という言葉の正体です。

文章力とは、具体的にどんな「力」のことを指しているのでしょうか? 文章を上手に書く力? おもしろい文章を書く力? ……もしもそうだとしたら、文章力が必要とされるのは作家やライターなど、一部の人たちだけになってしまいますね。

しかし僕は、執筆を生業としない人たち、仕事やプライベートで文章を書く機会の少ない人にこそ、文章力が必要なのだと思っています。

書くこととは、考えること

文章力とはなにか? なぜ文章力が必要なのか?

2012年に刊行した『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という本のなかで、僕はこんな説明をしました。

「書く力を身につけることは、考える力を身につけることだ」。家族や友達と話をするとき、僕たちは思いつくまま自由にしゃべっています。ここで交わされる言葉(話しことば)は、かなり支離滅裂で、文法的にもめちゃくちゃだったりします。

しかし、それでもしっかりコミュニケーションが取れているのは、表情や身振り手振りをはじめとした周辺情報によって自分の気持ちを伝えているからです。

一方、文章(書きことば)の場合は表情も身振り手振りも使えません。言葉=文字だけを頼りに思いを伝える必要があります。おしゃべりするときのように思いつくまま言葉を並べるのではなく、論理的に組み立てないと、伝わる文章にはならないのです。

「書く力とは、考える力だ」とは、そういうことだと思ってください。

生涯にわたって自分を助けてくれる文章力

今回講師を務めさせていただく「文章力養成講座」の中で、僕は文章の組み立て方についてお話ししていこうと思っています。伝わる文章と伝わらない文章の違いはどこにあるのか、読みやすい文章と読みづらい文章はどこが違うのか、などについていろんな角度から考えていくつもりです。

「書く力とは、考える力だ」という視点に立って考えれば、どこでどんな職業に就こうと、文系だろうと理系だろうと、業種や職種に関係なく今後の自分を助けてくれる最大の武器、それが文章力なのだと思います。ぜひ一緒に、伝わる文章の正体について考えていきましょう。

「文章力養成講座」開催概要

講師:堀内伸浩 古賀史健 佐々木圭一
会期:2014年2月15日(土)隔週土曜日 全10回
時間:13:00~15:00
場所:東京・南青山周辺
料金:98,000円(税込)
定員:60名(定員に達し次第締切)



古賀 史健(こが・ふみたけ)

フリーランスライター/編集者
1998年、出版社勤務を経て独立。以来、フリーランスのライターおよび編集者として一般誌やビジネス誌で活動後、現在は書籍のライティングを中心に活動中。これまでに150冊以上の単行本・ムック本を手掛け、インタビュー集『16歳の教科書』はシリーズ累計70万部を突破するベストセラーに。文章術や編集術に関する講演・セミナーも多数実施し、著書に『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がある。