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コラム

CSR視点で広報を考える

歴史的な豪雪で見直される企業の安全在庫の在り方とリスク回避

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【前回のコラム「ソーシャルメディアリスクの対応マニュアルの必要性」はこちら】

未曾有の豪雪に対処不能に陥った自治体・企業

今年2月に発生した豪雪による雪害は、関東地方の大都市を含め、各地に未曾有の爪痕を残した。2月8日及び14日と2週続けて関東・甲信・東北地方を中心に記録的な大雪となったが、いずれの豪雪も冬型の気圧配置によるものではなく、南岸低気圧が急激に発達、通過した際、上空の気温が低かったために雨ではなく、雪となった。

アメダス地点の最深積雪量は、斜里町(北海道):186cm、草津(群馬県):162cm、菅平(長野県):152cm、湯本(福島県):130cm、土呂部(栃木県):129cm、開田高原(長野県):115cmと1mを超え、気象官署の最深積雪量についても、河口湖(山梨県):143cm、甲府(山梨県):114cmと1m超えを確認した。

甲府市内のコンビニの状況

甲府市内のコンビニの状況

物流が止まり、スーパーマーケットやコンビニから商品が一切なくなり、住民の生活が脅かされる事態が各地で発生した。町や村だけでなく、鉄道の運行も閉鎖され、なかには住民や旅行者が鉄道の車両に閉じ込められる事態も発生したことは、既に報道されたとおりである。

損害保険会社各社は、山梨県や群馬県での大量の降雪に加え、人口密度の高い首都圏を直撃したことで、車庫や家屋の屋根の損壊、スリップなどによる自動車事故が多発し、今回の豪雪に関わる損害は、過去最大級の保険金の請求となる見込みで、全社合わせると1,000億円にも達する可能性が出ている。

内閣府は豪雪非常災害対策本部を設置し、対処に追われたが、一方で、気象庁は「大雪特別警報」を発表しなかった。特別警報は昨年から運用が開始されたばかりだが、その警報基準には、「大雪の範囲が府県程度の広がりを持ち、50年に一度の積雪深、かつその後の降雪が丸一日以上継続すると予想されるケース」に該当した場合に発表される。

今回の事例では、その基準を満たさなかったため発表に至らなかったとの気象庁のコメントが定例記者会見で発表されたが、既に基準見直しの検討がなされている。

自衛隊の動きも活発で、都県知事の要請に基づき、人命救助や物資輸送のための災害派遣を行い、山梨、群馬、長野、静岡、東京、宮城、埼玉の広範囲に及んだ。

次ページ 「予想外の豪雪に事業中断に追い込まれた企業」に続く

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