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コラム

いいかげん、脱・広告宣言!

「意識の95%は非言語」に広告の未来があるかも

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非言語コミュニケーションのインプットをビジネスエスノグラフィとすると、アウトプットには、例えばレコメンド広告などの仕組み構築もそうですが、UX(ユーザーエクスペリエンス)の設計などもあるでしょう。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、WEBサービスに関するワードだと誤解されがちですが、本来はリアルなプロダクトやサービス提供でこそ重要なものです。

UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上とは、プロダクトやサービスを利用したときにユーザーが得られる体験の総体の質上げるということです。
プロダクトやサービス一つひとつのスペックの良し悪しだけでなく、ユーザーが真に求めている非言語領域のニーズに応え、楽しく、心地よい体験を実現しようというわけです。

僕も最近は、プロダクトデザインのできるチームと組んで、この領域におけるコミュニケーションのアウトプットの形を模索しています。

これまで広告は、すでに言語化されている事象を、より伝わりやすく表現し直してユーザーに届けることを生業にしてきました。
しかしそれは、人間の意識のうちのたった5%の話です。
ならば、まだまだやれることがあるはず。
95%の言語化されていないものを言語化したり、非言語のままコミュニケーションを成立させたりすることに、広告の大きなチャンスと未来があると思うのです。

広告クリエイティブにも、コピーライター、アートディレクターという表現スキルだけでなく、非言語をリサーチして、また違う非言語でアウトプットするようなスキルセットが必要になってきているように思います。
それを何と呼ぶかは、まだよく分からないのですが。

京井良彦
電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター
大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。東京都市大学非常勤講師。