【前回のコラム「理想的なリキッド&リンクド・コンテンツ:「アナと雪の女王」ヒットを分析して(2)」はこちら】
皆さんはニュースキュレーションアプリをご存知だろうか。最近特に、ニュースやプレスリリースやテレビCMで目にする機会が多くなってきていると感じている。
キュレーションのサービスは実はかなり前から存在していた。2005年2月にサービスを開始した「はてなブックマーク」や2010年11月にサービスを開始している「NAVERまとめ」などはその代表例といえる。これらのサービスはユーザーが自分のお気に入りページをシェアしたり、あるトピックに関しての情報を集約するといった機能を有したプラットフォームで、利用者にとっては話題の記事やトピックに関して簡単に、まとめて情報を得られることが特徴である。
これらの先行キュレーションサービスも新たな時代に向けての体制刷新を進めているようだ。NAVERまとめを運営するLINEは7月29日にニュースリリース発表、月間23億PV・6700万UUを超える実績値と、9月より優秀なまとめ作成者を対象とした「奨励制度」も刷新・拡充するという内容を公開した。また、はてなも8月1日に創業者の近藤淳也氏に代わり、栗栖義臣氏が代表取締役社長に就任するという経営陣の体制変更を発表した。近藤氏は会長となり、「改めて新サービスの創出にも注力する」ということで期待したいところである。
スマホの時代にマッチしたキュレーションサービスが拡大
前述したように以前から存在しているサービスであるが、ここに来て急拡大しているのは何故か。PCのブラウザーベースではポータル(玄関)サイトというものが存在し、検索やニュースなどのラインナップを揃えて膨大なトラフィックを誇っていたのだが、スマートフォンの普及によりその玄関口の役割が分散していることが背景にある、というのが筆者の考えだ。利用者のマインドシェアをニュースキュレーションアプリが奪い合っている、と言い換えることもできる。
このような現象がなぜ起こっているかについて考えると、スマートフォンではブラウザーを立ち上げなくてもアプリを通じてインターネットコンテンツを閲覧できる事が大きい。自ら検索やニュースを流し読みしなくても、専用のアプリが関心のあるニュースや情報などを自動的に運んで来てくれるのである。しかも、ユーザーが許可をすればプッシュ型で自分に合ったニュースがある場合に教えてくれる機能も付いている。つまり、いつアプリを立ち上げればいいかという事も教えてくれるのである。
新興、スマホネィティブ系:
グノシー、スマートニュース、アンテナ、ニューズピックス、LINE News
PC、スマホ並列系:
Yahoo! News、はてなブックマーク、NAVERまとめ
「i(アイ)トレンド」バックナンバー
- すべてのマーケティングがサブスクリプション化する?~マーケティング協会のイベントで感じたこと~(2018/5/11)
- 高付加価値経済の実現のために、なぜ賃上げが有効なのか(2018/4/23)
- デジタルテクノロジー/マーケティングの進化で実現するシェアリングと所有の二極化経済(2018/3/13)
- 2018年の日本はデジタルテクノロジー・マーケティングの進化により、ようやく適正価格の高付加価値エコノミーに進化する(2018/1/26)
- ピザ生産遅延、無料クーポン行列、集配遅延はなぜ起きたのか?(2016/12/26)
- まだ始まっていない日本航空の「どこかにマイル」の大ヒットを予想する理由(2016/12/01)
- AI(人工知能)は人類を超えるのか?(2016/7/20)
- カンヌ・サイバー部門総括「社会派の作品はチタニウムに集約へ」(2016/6/24)
新着CM
-
マーケティング
JCB、二宮さん起用の広告再開 CMやYouTube…4月から
-
マーケティング
伊藤忠、ボスコンと合弁 DXコンサルティングで新会社
-
販売促進
新規獲得に依存しない「守りの販促」を実現する グロースマーケティングとは何か
-
AD
クリエイティブ
グループ一体で「感動」を生む エンタメ視点の空間デザイン
-
マーケティング
顧客インサイトを発見する能力を高めるには? 味の素マーケター育成の取り組み
-
人事・人物
ダイハツ工業、「三つの誓い」改革推進部を設置(24年4月1日付)
-
販売促進
採れたての初日の出を電力に 受賞者が明かす「販促コンペ」企画が実現するまで
-
販売促進
価格帯の二極化進む外食市場 インバウンド活況の裏で人手不足も、日本フードサービス...
-
特集
「宣伝会議賞」特集