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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

就職活動で50社落ちたけど、私、本を出版します。(2)

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華井 ゆりな

いつか言葉で、人を救いたい。そう思っているのに、企画が通らない……。
「編集・ライター養成講座」受講後、本の企画が通らず、毎日空回りしていた私は『女の子向け仕事図鑑』を通して、ようやく自分の間違いに気づきました。 今回は、第1回の続き“企画が生まれるまでのプロセス”をご紹介します。

『女の子向け仕事図鑑』が、生まれた瞬間。

2014年、初夏。本の企画を考えていた私は、ふと、女子会でのヒトコマを思い出しました。成績優秀で容姿端麗、将来は海外進出を目指していたAちゃん。彼女がなぜ、一般職を選んだのかを聞いたときのこと。

「大手企業の一般職に就いて、海外赴任しそうな人と結婚して海外で働くのが、一番現実的だと思って」

普通なら、総合職に就いてキャリアウーマンを目指すところ。しかし女性の場合、社会進出が進んだ現在でも、夫の転勤や出産によって仕事を辞める場合がほとんどです。そうした状況を見越したAちゃんは、高校時代から将来設計を立て始め、家庭を大事にしながら夢を叶える道を選んだのでした。
対して私は、猪突猛進に出版社を目指すだけ。その後のことは「産休と育休でなんとかなる」と思っていました。しかし実際、なんとかならずに泣く泣く仕事を辞めた女性を、社会人になって何人も見ています。

現実を踏まえて将来の仕事を選べたら、女性はもっと自分らしく働き続けられるんじゃないだろうか……。

そこで私は、ハッと気づきました。
これは、本になる!
思いつくやいなや『女の子向け仕事図鑑』の企画書を書き、講師の鬼塚忠氏に提出。企画は無事、通りました。

本の企画は、コピーライター脳で考える!

この『女の子向け仕事図鑑』の企画を生んだのは、私のなかのコピーライターの部分でした。キャッチフレーズを考えるだけ、と思われがちなコピーライターですが、実は下記のように医者に似た仕事をしています。

①企業が抱えている病気を診断する。
②治す方法を考える。
③消費者に届くキャッチフレーズを処方する。
④商品が売れる。
⑤企業が元気になる!

しかし、本の企画を考えているときの私は①~⑤の手順を完全に無視。自分が「書きたい」と思える趣味の企画ばかり考えていました。でも今回は違います。読者は今、何に困っているだろう、どうしたら解決するだろう、何を処方すれば皆が元気になるだろう。コピーライターのような思考回路で考えられたとき、いい企画が生まれるんだと実感しました。

出版社に送ったエントリーシート

さて、企画を提出してから数日後、一通のメールが届きました。
「B社から出版のオファーがありました」
「えぇーっ!」 と自宅で一人絶叫。B社と言えば、本屋の棚をズラッと占めている大手です。本気でドッキリだと思いました(ごめんなさい)。
就職活動で大敗し東京を去ってから4年、私はB社との打ち合わせに向けて、再び東京へ向かうことになりました。

続く
※第3回(10月中旬公開)では、プロの編集者とのやりとりについてお話します

華井ゆりな

華井 ゆりな
愛知県生まれ。コピーライターとして、トヨタ系企業、大手飲食チェーン、病院、私立大学、専門学校など、多種多様な企業の取材を行いながら、本を執筆中。「コピーライター養成講座 基礎コース」「文章力養成講座」「プロモーショナル・マーケター養成講座」「編集・ライター養成講座 総合コース」修了生。

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『編集・ライター養成講座 総合コース』
講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。

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