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コラム

街中の“おしい”をレスキュー!

惜しい!メールの題名———情報洪水の中で、確実に相手に読ませるには

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【前回の記事「「惜しい!じれったい電光掲示——大事な点は《速く》でなく《早く》」はこちら】

今回は、街中の看板などから目先を変えて、ネット上で日々交される“看板”——メールの題名について考えましょう。

過日、私の所に、[左]の題名のメールが届きました。私はその学会のニュースレターを定期購読していたので、「最新号を郵送したよ、という通知だな」と思い、本文を開くこともせずスルーしていました。

ところが、レターはいつまでも届かず、しばらくしてまた同じ題名のメールが再送されて来ました。おかしい、と思って今度は開いてみると、こんな文面だったのです。

「この度、News letter vol.15を刊行いたしましたのでご指定の住所へ送付したところ、戻ってまいりました。再度お送りいたしますので、『変更届』に必要箇所をご記入のうえ、メールかFAXでご提出くださいますようお願いいたします。」

——そう、事務局に住所変更を知らせていなかった、私のミスでした。こういういい加減な相手に確実に情報を叩きこむには、《題名をシャープにする》に限ります。たとえば[右]のように。これなら、ボンクラな下村でも間違いなく1本目で本文をちゃんと開いて読んだでしょう。

完全に自分の落ち度を棚に上げちゃってますが(汗)、日々大量のメールのやり取りをしている人の場合、題名だけで開くか捨てるか仕分けする、というパターンは珍しくありません。情報洪水時代に、自分の発した情報を埋もれさせない“サバイバル”術として、《中身が一発でわかるタイトル》になってるかな?というチェックは、発信前のお約束です。

これって、メールに限った話ではありません。例えば———

「見過ごすな、幼い子どものSOS! 0570-064-000 に一報を!」

これは4年前、首相官邸ホームページに掲載された、「児童相談所全国共通ダイヤル」の番号お知らせ文の見出し。当時「内閣広報室」で働いていた私が、助言して直させたものです。実は、作成者の若い官僚から最初に出て来た原稿案には、こんなシビれる題が付けられていました。

「平成二二年一一月 児童虐待防止推進月間の施行について」

…この見出しに魅せられて本文に読み進み、肝心の電話番号に辿り着く人が、全国に一体何人いるでしょうか???

このコチコチのタイトルと、冒頭の[左]のメール題名って、ちょっとパターンが似てますよね。本文の内容が変わっても、そのまま使える汎用性の高さ。「News letter vol.15」に関することだったら、何でもこの題名でOKだし、「児童虐待防止推進月間」のことだったら、何でもこの見出しでOKですから。

でも、発信者にとって「汎用性が高い」タイトルは、受信者にとっては「的が絞れていない」タイトルなんです。対照的に、それぞれの修正版の方は、《この内容にしか使えない見出し》です。そこがポイント! タイトルは、やっぱりオーダーメイドでいきましょう。