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「第二のくまモンを探せ」——日本広報学会、熊本で研究発表大会開く

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日本広報学会の第20回研究発表全国大会が18日と19日、熊本市の東海大学熊本キャンパスで開かれた。「グローカル時代におけるコーポレート・コミュニケーション戦略を深化する」を統一論題に、企業広報や観光広報などについての研究発表が行われた。

「グローカル時代におけるコーポレート・コミュニケーション戦略」をテーマにしたパネルディスカッション

初日の基調講演で登壇したJR九州の石原進相談役は、九州経済連合会の観光委員長や九州観光推進機構の会長を務める立場から、九州の観光戦略について解説した。今年度スタートした「第二期九州観光戦略」によると、訪日インバウンドの拡大への取り組みに注力することを掲げており、2023年には外国人による九州観光の売上目標は現在の5倍の6404億円を掲げている。特に期待しているのは中国で、訪日ビザの緩和を働きかけ2023年には2010年の22倍となる304万人を目指す。

石原氏は「北海道や沖縄と比べ、九州にはシンプルで明確なイメージがない」として、「温泉」を前面に九州を海外に売り込んでいくとし、WebサイトやSNSを活用した広報活動に注力していくと解説した。

蒲島熊本県知事の講演に登場したくまモン

続いて蒲島郁夫熊本県知事が登壇し、県政の取り組みやキャラクター「くまモン」を起用した展開について説明した。県政をめぐっては、財政再建や川辺川ダム建設の白紙撤回などの「決断の政治」、鳥インフルエンザ発生時などの「対応の政治」に並んで、「目標の政治」としてくまモンの施策を掲げた。県や県産品のPRを条件に無償で版権使用を認める「楽市楽座」で知られているが、くまモンの利用許諾件数は今年4月30日時点で1万6611件。関連商品の売上高は2011年の25億円から、2013年には449億円と飛躍的に増えたと強調した。蒲島知事は、「くまモンの存在が、県民総幸福量の最大化に大きく貢献した」と述べ、「失敗を恐れずにチャレンジすることが大事。職員には『第二のくまモンを探せ』と指示している」と明かした。最後に実物のくまモンがサプライズで登場し、会場を沸かせた。

後半は、石原氏、蒲島氏に加えて長崎大学副学長の深尾典男氏、事業構想大学院大学副学長の上野征洋氏、桜美林大学教授で異文化経営学会会長の馬越恵美子氏が登壇し、大会の統一論題「グローカル時代におけるコーポレート・コミュニケーション戦略」をテーマにパネルディスカッションが行われた。ファシリテーターは小林寛子・東海大教授が務めた。

次回の研究発表大会は、2015年9月11日〜13日、東京都文京区の東京大学本郷キャンパスで開かれる。


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