日本マクドナルドは22日、約1万1000人の消費者が参加したプロジェクトでリニューアルした「とんかつマックバーガー」が29日から発売されるのに合わせた記者発表会を実施した。同社では、メニュー開発から全国の店舗を使った人気投票など、消費者を巻き込んだ大掛かりなプロジェクトを2014年6月から初めて実施。口コミを広げ、消費拡大につなげるのが狙いだ。
今回リニューアルしたのは、2014年5月に期間限定で発売した「とんかつマックバーガー」。レギュラー化にあたり、「日本の消費者に末永く愛してもらえるような商品を」と、消費者と“共創”のメニュー開発づくりに挑んだ。
同年6月、一般の消費者から募集して集まった3000人の中から15人を選び「みんなのとんかつソース研究会」を発足。2回の会合を開き、どんな味のソースが合うか、試食を重ねながら検討を進めてきた。最終候補に残った「まろやかジンジャーソース」「ごまかつソース」の2つから、実際に全国の店舗で品評会を実施。全国の約1万1000人が参加し、投票の結果「ごまかつソース」に決定した。
これまで同社では、アンケートを用いたサンプリングで消費者から味に関する意見を聞くことはあったものの、直接消費者とのコミュニケーションの中でメニューを開発するのは今回が初めて。プロジェクトを主導したメニューマネジメント部の唐沢俊輔氏は「当初は私たちもどんな味になるのか不安なままプロジェクトを進めていましたが、通常のアンケート調査では、たとえば『ソースはもっと甘いほうがいい』で終わってしまうところ、『なぜ甘いほうがいいのか』といったお客さまの真意を直接聞けたのが良かったです」と手ごたえを語る。
プロジェクトに参加した、会社員の中野正之さんは「(選ばれた人は)年齢層も地域も好みもまったく違い、意見もバラバラで、本当に企画がまとまるか不安でした。でも、マクドナルドが僕らを信頼してくれて、めちゃくちゃな意見を聞いてくれた。メニューが出来上がった時は感動しました」と感無量といった様子で振り返っていた。
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