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講談社、日経と共同でファッションマガジン発行へ 「デジタルファースト」前面に新規事業も発表

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広告セールスは両社で展開

講談社の森武文専務(左)と日本経済新聞社の木村芳文専務

講談社の森武文専務(左)と日本経済新聞社の木村芳文専務

講談社は28日、日本経済新聞社との共同事業で日経読者向けの女性ファッションマガジンを創刊すると発表した。講談社がコンテンツ制作を担当し、日経は発行元として首都圏、関西圏の同紙購読者に無料で配布する。広告セールスは両社で行い収益を分け合う。

日経は昨年から女性読者を対象にした紙媒体を発行してきたが、女性誌編集のノウハウが豊富な講談社のノウハウを取り入れてリニューアルする。

新メディア「THE NIKKEI MAGAZINE STYLE Ai」は3月22日に創刊する。タブロイド判32~48ページ、首都圏と関西圏で60万部発行する。初年度は6~8回の発行を予定している。ターゲットは日経を購読するF2層(35~49歳女性)で、都市部の高所得者層をターゲットにしている。

編集長は、講談社で「GLAMOROUS(グラマラス)」編集長などを歴任した藤谷英志氏。デジタル配信やセミナー・イベント開催なども両社で共同展開し、収益を拡大させる考え。

初の外部編集長起用

「FORZA STYLE」編集長に就任した干場義雅氏

「FORZA STYLE」編集長に就任した干場義雅氏

講談社が同日開いた発表会では、このほか複数の新規事業を発表した。広告を主な収益源とするものがほとんどで、いずれもオンラインメディアと連携させるなどデジタルシフトを鮮明に打ち出した。

40代男性をターゲットとした新メディア「FORZA STYLE(フォルツァスタイル)」はオンライン上のみで展開する。

同社のニュースサイト「現代ビジネス」ですでにコンテンツ提供を始めており、2015年2月に本サイトを立ち上げる。

コンテンツはビジネスパーソン向けのファッションやライフスタイルなど。動画コンテンツに注力していることが特徴で、広告主の要望に応じた動画制作にも対応する。当初は週に2回程度の記事更新、月に10本程度の動画配信を予定している。

編集長には、「LEON」や「OCEANS」などの立ち上げにかかわり、今は独立してテレビやラジオのコメンテーターなどを務める干場義雅氏を起用した。講談社で編集長の外部人材起用は初めて。

45歳前後の女性をターゲットとしたデジタルメディア「mi-mollet(ミモレ)」の立ち上げ構想も発表した。フリーのエディター・スタイリストの大草直子氏を同じく外部から編集長に登用する。スタート時期は未定。リアルのスナップ写真やお悩み相談などのコンテンツを充実させるほか、読者コミュニティの組織化などの方針も明らかにした。

女性誌読者に無料でデジタル版を提供

デジタルメディアの強化を掲げる講談社の野間省伸社長

デジタルメディアの強化を掲げる講談社の野間省伸社長

また、NHKの番組とタイアップして発行してきた50~60代女性向け雑誌「おとなスタイル」を来年3月から年4回の定期刊行にリニューアルし、デジタル展開を強化することも発表した。

基幹女性誌「ViVi」「VOCE」「with」「FRaU」は来年1月23日以降に発行される3月号からデジタル配信を開始する。全ての書店・コンビニで購入した読者を対象に、無料でダウンロードできる。雑誌読者を会員化することで、情報配信などの展開を見据えている。

講談社の野間省伸社長は、2014年11月期の増収は難しいとの見通しを示した上で、「雑誌は課題」と指摘。「コンテンツのデジタル化を進め、読者により届きやすくする」と新規事業の狙いについて強調した。