米ファストフード大手タコベルは28日、TwitterやFacebookなどにこれまで投稿していた情報をすべて消去した。140万人超のフォロワーを抱えていたTwitterアカウントは、「@totallynothere」と名称を変えて凍結した。両ソーシャルメディアに残されたのは、「タコベルの新たな利用方法は、ここにはありません」とのメッセージ。同日配信をスタートさせた、注文用スマートフォンアプリのプロモーションだ。TumblrやInstagram、公式サイトトップページもすべて情報を消し、新しいアプリのリンクのみを掲載している。
同社は、こうした大胆な広告アプローチを好む企業だ。今年3月には、2014年初めから提供を始めた朝食メニューのプロモーションで25人のロナルド・マクドナルドさん本人を起用したテレビCMをオンエア。「ロナルド・マクドナルド」は、日本で言う「ドナルド」だ。マクドナルドのシンボルであり、真っ向から勝負をしかけた格好となる。それだけに話題も大きく、同CMを手がけたDeutsch LAのチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ピート・ファバット氏によると、同CMは、開始1カ月ほどで30億回のインプレッションを得た。
スマホアプリからは、タコベルの、タコスやブリトーなどメキシコ風ファストフードから好みのレシピを注文し、事前に登録したクレジットカードやデビットカードなどで支払える。受け取りは、店頭でもドライブスルーでも可能。ユーザーの位置情報から、受け取り可能な店舗を勧める機能もある。
タコベルは、今回の注文アプリの配信に大きな期待を寄せている。今後8年間で、現状の2倍となる140億ドルの収益と、2000拠点の追加を目指すという。
アプリの制作はDigitasLBi、テレビCMはDeutsch LA、インストアプロモーションなどはFCB LAが手がける。また、モバイルEC関連の技術ではCARDFREE、Tillster、XPIENTが協力している。
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