米非営利団体Mozilla(モジラ)財団は13日、オープンソースWebブラウザ「Firefox」に、新しくページを開くと広告が表示される機能を追加した。第一弾となる広告主は、米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスと、オンライン旅行予約サイト「Booking.com」(アムステルダム)。広告を表示する対象地域は日本ほか25カ国に及ぶが、CVSヘルスの広告は米国のみで配信する。
WPP傘下のメディアエージェンシー、マインドシェア・ノースアメリカと提携した取り組み。今後の機能改善には、マインドシェア親会社のグループMが2015年を通じて参画する。
「Firefox」上で新しくページを開くと、新規ユーザーならおすすめのカテゴリー、既存ユーザーならこれまでの閲覧履歴と並んで、「SPONSORED」と記された広告が表示される。設定で非表示にすることもできる。
クライアントによって表示対象を選ぶためにアクセス元を分析し、広告主にはインプレッション(表示)回数やクリック回数を提出するが、ユーザーのデータ追跡はしない。アルコール飲料や医薬品など、年齢などユーザー属性によって制限事項が発生するクライアントは迎えない方針。
Mozilla財団の2012年の総収入は3億1100万ドルで11年比90.7%増。11年12月に最低3年間で契約したグーグルを筆頭に、マイクロソフト(Bing)、ヤフー、アマゾン、イーベイなどへの検索機会提供がその多くを占めており、収益源の多角化を急いでいた。
2014年10月時点Webブラウザシェアでは「Firefox」のシェアは13.9%(米調査会社ネット・アプリケーションズ推計)。マイクロソフト「インターネット・エクスプローラー」、グーグル「Chrome」に次いで三番手につけるが、年々減少傾向にある。
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