詳しくは、本誌をご覧ください。
連載【名古屋に根付く価値をクリエイティブの力で加速させる】
①パッケージデザインー青柳 季節の味くらべ(こちらの記事です)
②プロジェクションマッピングーウェスティンナゴヤキャッスル プロジェクションマッピング
パッケージデザインで“手仕事”にこだわる企業イメージも伝えるー青柳 季節の味くらべ
平井秀和(クリエイター)
ピースグラフィックス アートディレクター、グラフィックデザイナー。青柳ういろう、大和屋の守口漬など地元企業のパッケージをはじめ書籍、広告まで幅広く制作中。D&AD inbook、The One Show Merit、NY TDC入選、Designfor Asia銀賞、香港国際デザイン賞銅賞、日本パッケージデザイン大賞金賞など受賞多数。
青柳総本家は明治12年創業、135年続く和菓子メーカーです。名古駅構内や東海道新幹線車内などでのお土産としての販売を通じて、「ういろう」が名古屋名物として親しまれるようになるために貢献した会社です。
2008年に初めてお仕事をいただいて以来、商品のパッケージや紙袋など10件ほど同社の仕事を手掛けてきました。
ういろうは棒状のものが主流ですが、お客様からは「切るのがイヤ」「重い」という声があり、さらに夏に売上が減るという問題もありました。
そこで生まれた商品シリーズが「季節の味くらべ」。切らずに食べることができる、茶巾しぼりの一口サイズで、春夏秋冬で味が変わる限定商品です。
2011年夏、既存商品のリニューアルで「冷やしういろう」が初登場して以来、毎年季節ごとに販売しています。私は同商品のパッケージデザインを担当しました。
オリエンは、「一口サイズの食べやすさに、『冷やして食べる』という新しい価値を加えた商品を作りたい」というもの。
通常、ういろうは冷やすと固くなりますが、これは逆に冷やして食べるということが新しい。その特徴を強調するために、外箱はてぬぐいのような涼しげな和柄をモチーフにデザインし、色は青系で統一しました。
文字や絵柄はかすれた表現にすることで「老舗」の印象を強めました。
茶巾しぼりの包材にはフレーバー名を入れず、色のイメージだけで「黒糖味」と「和三盆味」の2種を判別できるようにしています。
食べるときは極力、文字などを見ることなく、味やひんやり感だけに集中してもらいたいと考えたからです。
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