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コラム

新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~

米国成功事例① スーパーで売れた「スターバックスコーヒー」とは?カテゴリーも活性化させた売り方のイノベーション

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【前回のコラム】「デート成功の秘訣は、ショッパーのディマンドとインサイトが出発点。」はこちら

コーヒーの買い物体験を根本から改革

前回、ショッパー・ベース・デザインは、ショッパーに期待する態度変容を目的にディマンドとインサイトを活用した売り場のPDCAサイクルであるとお伝えしました。今回は、ショッパー・ベース・デザインを使って純増利益を生み出した米国での成功事例を紹介します。

まずは、こちらの売り場を見てください。
西海岸を中心に店舗を持つあるスーパーマーケットチェーンでのスターバックスのエンド・定番什器とコーヒーの定番棚です。この什器を設置しエンド・定番棚を改善することで、この店舗は、スターバックスの商品の売上を伸ばし、コーヒーカテゴリー全体の売上も20%近く向上させることに成功しました。この什器はテスト展開での大成功を受けて、今やこのスーパーのチェーン店だけで250店以上に展開され、他の小売店においても、東海岸をはじめとする全米各地で展開されることが決まりました。

  

什器のデザインは、セイレーンのロゴ、木目調の棚、温かみのあるランプを用いて、スターバックスの店舗を想起させるように意識しています。什器には、パック詰めのコーヒーだけでなく、コーヒー豆、ココア、1人分専用のコーヒーメーカーのリフィル、インスタントのスティックやフィルタータイプ、マグカップやスターバックスの店頭には置いていない小売店限定の商品など、従来であれば別々の棚にばらばらに置かれてしまう種類の商品もまとめて一緒に置かれています。一部の店舗では、瓶入りのチルド飲料もこの什器に置かれています。

一見すると、コーヒー売り場に、スターバックスの広告を力ずくで押し込んでいるだけに見えるかもしれません。しかし、これはショッパー・ベース・デザインを活用し、小売店の持つ課題をスターバックスのマーケティング戦略が解決しているというWIN-WINの関係を築くことのできた事例なのです。

次ページ 「万事の基礎はショッパーにあり。」へ続く