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ますます拡大するオンライン動画市場、継続的に制作していくための“量産”テクニックとは!?

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近年、オンライン動画をマーケティングに活用する企業が急速に増えてきましたが、そもそものマーケティングの成果につなげられなかったり、動画単体でプランニングしてしまい、他のマスキャンペーンと連動ができていないという課題の声も聞こえています。『宣伝会議』2015年4月号では、「オンライン動画の活用戦略」をテーマに、オンライン動画のポテンシャルを引き出す戦略・戦術について特集。ここでは、その一部を紹介します。
そもそもどのように動画を制作すれば良いのか分からない、これから動画を活用する、
またすでに活用しているが上手くいかないという担当者に向けて、数多くのオンライン動画コンテンツを企画・制作してきたモバーシャル 取締役 CMOの山下悟郎氏が、オンライン動画に関しての基本的なノウハウやテクニックを解説します。

コンテンツマーケティングとしての動画の活用

顧客(見込み・既存)に対して、必要とされる価値あるコンテンツを提供し続け、エンゲージメントを深め、売上げにつなげる。最近では、コンテンツマーケティングを導入・検討されている方も多いのではないでしょうか。

その中で、コンテンツの一つとして動画を継続的に量産していきたいという声をよく聞くようになってきました。動画は深く情報を伝えやすく、加えてシェア性が高いという利点があるものの、静的なコンテンツと比べ時間やコストがかかることも少なくありません。しかし、進め方や注意点をきちんと理解することで、時間とコストをかける以上の大きな効果を期待できます。

では、継続的な動画コンテンツの制作はどのような点に注意して進めていけばよいのでしょうか。継続的に、同じ企画の動画(自社のサービスや製品のHowTo、使い方提案など)を量産していく場合の解説をしていきます。

ポイント1 コンテンツのPDCAを意識する

継続的に動画を量産し展開していく場合、最も大切なのはユーザーにとって価値あるコンテンツを制作することですが、そのために非常に重要なのが、動画のPDCAを意識した制作+運用体制の構築です。動画に限らずですが、KPIや検証方法が不在の中で制作し配信していては、コンテンツが良いか悪いかも分からぬまま発信し続け、価値のない動画を量産してしまう可能性もあります。まずはターゲットが喜んでくれる価値あるコンテンツの成功パターンを、検証を行いながら、ある程度確立した後、量産体制を構築して、さらに継続して検証し運用・改善していくような、クリエイティブのPDCAを意識した体制作りから始めることが大切です。

ポイント2 量産化前のABテストと効果検証で動画を最適化

基本的な企画の方向性を決めた後、まず初めにABテストを行い、その後の運用でクリエイティブを最適化していくとスムーズに効果的な動画を量産することができます。同企画内で数パターン、映像の尺や表現方法、トーン&マナーを変えてリリースした後、配信プレイヤーやサイトのアナリティクス機能を用いて、コンテンツの完全視聴率や離脱ポイント、CTRなどを適宜確認して、最も適した動画を選択、さらに運用の中で改善していきます。必要に応じて、オウンドメディア上でも、動画を視聴したユーザーに対してアンケートなどを行い、視聴者の生の意見をもらい参考にするのも効果的です。動画は可能であれば、適宜構成を軌道修正できるようにしておくと運用上便利です。事前に、テロップのフォントやカラー、タイトル、BGM、演出など修正ポイントを洗い出しておくことで、リリース後に素早い最適化対応ができます。

「動画の最適化」という言葉は、聞きなれない方も多いかもしれませんが、先述のようなABテストと検証を元に最適化していくことで、驚くほど再生維持率やシェア数が改善されることが少なくありませんし、制作体制やコンテンツ内容を固めてしまってからの軌道修正は、後々コストや手間がかかってしまいますので、是非ABテストと効果検証は時間をかけて取り組んでみてください。

ポイント3 KPIをきちんと決めて進めていく

当たり前ですが、動画の目的は何で、どこで、どんなターゲットに、どのような方法で展開していくのか、KPIは何かを初めに明確にした上で動画の企画を進めていかないと、そもそも効果検証もできないので注意したいところです。

最近では企業によっては、HowTo動画を用いてサポートコストやクレームを減らすことを目的とするケースなどもあり、その場合にはコールセンターへの入電数やメール数を効果指標とする場合も考えられます。WEB上で動画を活用する場合、動画単体の検証機能だけでは、効果の測定ができないことも多々あるのです。

また、動画内容の改善だけでなく、コンテンツの展開方法(サムネイル、掲載場所、U(Iユーザーインターフェース)、視聴ターゲットへのリーチ方法など)でKPIが改善されることも当然ながらよくあるので、WEB上で動画をどんな位置づけで活用されるのかをキチンと決め、取り組んでいきましょう。

次ページ 「テクニック1 動画のテンプレート化」へ続く