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スマホゲーム広告で独自路線——「モンスターストライク」の春キャンペーン

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ミクシィは、スマートフォン向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」のプロモーションを目的に「ひっ春(ぱる)?」キャンペーンを3月末から実施している。

「モンスト的開花宣言」と銘打ち掲出した、JR新宿駅構内のピールオフ広告。

モンストは、自分のモンスターを指で引っ張って弾き、敵のモンスターに当てて倒していくターン制のゲーム。宝島社から発行した『モンスターストライク攻略BOOK』シリーズも2015年2月で累計発行部数100万部を突破するなど、注目を集めている。キャンペーンでは、ゲームの特徴である「引っ張ってぶつける」アクションによって得られる爽快感を、より多くの人に感じてもらうことを目指している。

キャンペーンは3月30日13時、JR新宿駅構内に掲出したピールオフ広告を皮切りにスタート。ポスターに貼り付けられた3000枚のチケットには、ゲーム内で使用できる特別なアイテムが手に入るシリアルコードが記載されていたほか、チケットがすべて剥がされるとレアアイテムの「獣神玉」がもらえるシリアルコードが出現する仕掛けになっていた。SNSを中心に話題が拡散したことで、3000枚のチケットは開始から3時間で捌けたという。また同日から、東京・名古屋・大阪・福岡の主要駅と羽田空港内の計372カ所で、ゲームの象徴的なキャラクター「レッドドラゴン」をデザインしたポスターを展開。いずれもレッドドラゴンが壁を突き破っているように見えるヴィジュアルで統一されており、壁面や穴の向こうの風景などの表現は、各掲出箇所に合わせてカスタマイズしている。すべての掲出箇所を事前に撮影・取材し、壁の色・柄・汚れ・傷などの情報を収集。その上で、それぞれに合致するクリエイティブを一つひとつ制作した。制作にかかった時間は計1637時間に及んだという。そして4月17日からは、JR山手線1編成をジャック。「実際に穴が開いた中吊り広告」「穴が開いたように見える車体ラッピング広告」を掲出している。
交通広告を軸とした展開について、ミクシィの担当者は「ターゲットは、電車に乗降する消費者。生活の中で、スマートフォンの利用が高まる『移動中』や、その前後のタイミングを狙い、乗降客数の多い駅で集中的に接触を試みている。日頃使っている駅や移動手段に、突如としてゲームの世界を登場させることで、驚きを与えたいと考えた」と話す。

掲出箇所ごとにカスタマイズされたポスター。制作には、デザイナー672時間、レタッチャー360時間、カメラマン65時間、プロデューサー540時間と、膨大な時間を要した。

17日にオープンした特設サイト。

キャンペーンのイメージムービー。

CyberZが2014年3月に発表したスマートフォンゲーム市場動向調査によると、2013年の市場規模は前年比178.0%の5468億円と大幅に伸長。国内家庭用ゲームソフト市場規模のおよそ2.2倍、国内ゲーム市場全体の約5割を占める規模に成長した。2015年以降もスマートフォンの普及を背景に、高い成長率を維持すると見られており、2016年には市場規模が8000億円に到達する見込みとされている。

出展:CyberZ 2014年3月25日発表資料より(CyberZ/シード・プランニング共同調べ)

市場の拡大とともに、各社間の競争も激化している。数多くリリースされるゲームの中からユーザーに選ばれるために、ゲーム自体の独自性やクオリティをより高めていくことはもちろんのこと、広告・コミュニケーションにも工夫が求められていると言える。電通発表の「2014年 日本の広告費」では、業種別で「情報・通信」が前年比107.2%と伸び、その要因として衛星放送、携帯電話料金サービス、そしてスマートフォン向けサービスの出稿が増加したことが挙げられている。

★関連記事「2014年「日本の広告費」、2.9%増の6兆1522億円 ネット初の1兆円突破」

従来のスマホゲームの広告は、「ゲームの画面を見せながらそのゲームの特徴や魅力を伝える」という手法が一般的だった。一方でモンスターストライクは、テレビCMやOOHなどを積極的に活用。担当者h、「“お作法”から逸脱した手法を採用してプロモーションを行うことで、友人と一緒にプレイする楽しさの先にある『コミュニケーションが深くなる』というベネフィットを、ゲームのローンチ初期段階から常に謳ってきた。今回のキャンペーンのコンセプトは『突き抜けて、モンストが春を連れてきた』。『引っ張って弾く』『突き抜ける』といったゲームの特徴的なアクションをリアルに表現し、ゲームの爽快感を体感していただくとともに、『モンストを通じて、新しい環境(土地や仕事、学校生活など)での新しいつながりをもっと深めて欲しい』というメッセージを発信した。シーズナリティとゲームの世界観を融合することで、消費者にモンストを想起してもらう狙いがある」と話す。
企画制作は電通が手掛けた。

2013年10月のリリース以降、国内のみならず北米、台湾、韓国、中国、香港・マカオなど海外でもユーザーを増やし、累計利用者数2500万人を突破したモンスト。今後も、ヨーロッパや東南アジアなど、海外での展開をさらに拡大していく予定としている。


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スタッフリスト

企画制作
電通+ジェイツ・コンプレックス+ノースショア+〼々
CD+C
川村佳央
AD
各務将成
企画
宮地成太郎、巣籠悠輔

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/D:デザイナー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/FLASH:flash制作/ME:マークアップ・エンジニア/PGR:プログラマー/EPR:エグゼクティブプロデューサー/PR:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/AP:アカウントプランナー/MA:録音/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/I:イラストレーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター