【前回コラム】「米国のファストフード、Arby’s×ファレル・ウィリアムス 「リアルタイムマーケティング」の裏側」はこちら
前回のインタビューでは、グラミー賞の授賞式において、歌手のファレル・ウィリアムズに対して、アメリカのファストフードブランド、Arby’s がどのように“Twitter Moment”をつくっていったかについて同社デジタル&ソーシャルメディアディレクターのジョシュ・マーティン氏にお話を伺いました。
今回は引き続きマーティン氏から、Arby’s のソーシャルメディア戦略とその日々の活動についてお話を伺っていきます。
ファレルの帽子の他に、ソーシャル PRとしてどんな話題が成功したのか?
結城:前回の記事で、いわばArby’sにとって最初の“Twitter Moment”ともいえるソーシャルPRの成功事例を紹介しました。前回紹介しそこねたのですが、Arby’sのロゴにそっくりだと話題になったファレルの帽子は、その後もたくさんの反響を得たようですね?
Martin:はい。そのオークション後、いったんArby’sのコーポレートオフィスでファレルの帽子を受け取り、一般の人にも公開することになりました。ワシントンD.C.にある「NEWSEUM」という美術館で、短期間でしたがファンの皆さんにも見てもらえるようにしたのです。
結城:NEWSEUMでの展示というのは、最初から考えていたのですか?
Martin:いいえ。あれは オークション後に出た想定外のアイデアで、タイミング良くNEWSEUMから展示のオファーがあり、とても良い結果になったと思います。
結城:ソーシャルメディア上でたくさんの人が「かの帽子」とセルフィー(自撮り)した写真がアップされていたのはそういう背景があったのですね?
Martin:そうですね。NEWSEUM については約1090万インプレッションの露出がありました。話題づくりでも成功しましたし、Twitter上だけではなく、リアルな場所で体験を共有するということができて本当に良かったと思います。
結城:どこかの記事でも読みましたが、NEWSEUMのシニアバイスプレジデントも同じようなことを言ってらっしゃいました。Arby’sの帽子が展示されたことで、NEWSEUM 史上最高のPR効果を生み、多くのメディアで紹介されたのだと。まさにジョシュ効果ですね(笑)。ところで今は「かの帽子」はどこにあるのですか?
Martin:現在、LAの「The Grammys Museum」に展示されています。
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