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コラム

広告のやり方で、スポーツを創ってみた。

ハンドソープボールが生まれた夜

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【前回のコラム】「口説き文句研究と、スポーツ研究と。」はこちら

2014年11月某日。
僕は眠れない夜を過ごしていました。
海外旅行を翌日に控えていたのですが、
パスポートを忘れないか心配していたのです。
その昔、何度も確認したはずなのに、
空港行きのリムジンバスに乗った瞬間、
パスポートがないことが発覚したことがありました。
それからというもの僕は、
パスポートには羽がはえている
と言うスタンスで、過度に注意することを決めていたのです。

鞄にパスポートが入っているのを確認するたびに、
目が冴えていきました。困った。
そこで僕は、この時間を活用して、
新しいスポーツを考えることにしました。
実はこの数日前、ハンドボール元日本代表キャプテンの、
東俊介さんとの出会いがありました。
東さんはハンドボール振興に力をいれていて、
なんとかしてハンドボールを
一人でも多くの人に知ってもらい、体験してもらいたい、
という想いで活動をされている熱い方でした。
僕はその際、「みんなができる新しいハンドボール」を入り口として、
最終的にはハンドボールファンが増えるような流れを創れないか、
という思想だけ提案させて頂きました。
でも、肝心の中味がまだありません。
よし、考えよう。今は夜中の2時。
出発は朝6時。時間だけはある。
再び鞄の中のパスポートを確認した上で、
僕はバブルサッカーから抽出した、
勝利の方程式をもう一度反芻しました。

①勝ったら嬉しい。負けても楽しい。
②フォトジェニック。

この法則を満たすスポーツを、
どうやって創ればいいのか。
特に「負けても楽しい」部分をどうするか。

先ずもって、ハンドボール自体、
もの凄くハードでスピーディーなスポーツです。
くだんの東さんも身長が191cmあり、
弁慶のような猛々しい風貌をしています。

現役時代の東選手。(Photo by Kenta Tazaki)

そんな東さんと僕が、対等にできるハンドボールを創れないだろうか。
まずは、いかにボールスピードを落とし、
激しさを緩和するかが「負けても楽しい」の鍵だと踏みました。
しかも、なるべくフェアにスピードを殺す方法がないか。
そこで、思いました。

次ページ 「バブルサッカーはある意味「障害スポーツ」です。」へ続く