【前回のコラム】「1年ちょっと前に、Cという職業を知った。」はこちら
「正直、反感を買う内容」
「(画像の)金の鉛筆がやらしい」
前回のコラムを読んでくれた同期の元C(コピーライター)養成講座受講生から、そんなメッセージが届きました。そうやって気兼ねなく批判してくれる仲間と出逢えたことは、受講して本当に良かったと思う大きな理由の一つです。
仲間たちと互いのコピーを批評し、切磋琢磨し合った日々は、まさに青春。ある受講生とは、出逢ったその日に喧嘩したこともあったくらいです。また、一部のメンバーとは今でも旅に出たり、勉強会を開いたりしており、彼ら彼女らの存在は、私が日々前進するための原動力となっています。
今回は、そんな私の養成講座での出来事をお話したいと思います。
納得できないことは、必ず聞く。
初めての課題講評はボディコピー、そして2回目はラジオCM。いずれも優秀者に与えられる金の鉛筆は獲れず、講師からいただいた講評シートに書かれていた内容もなかなかと辛辣なものでした。また、選ばれていた作品はどれも面白く、序盤にして、私は自身の才能のなさに打ちひしがれてしまいました。
しかしながら、3回目のキャッチコピーの課題で初の金鉛筆を獲得。その次には、尊敬する谷山雅計先生からも、いただくことができました。それ以降、キャッチコピーの課題に対しては「(なるべく)100本以上」と決めて、真剣に取り組むようになったのです。
それでも、金の鉛筆が獲れないことも多々ありました。その結果に納得できたときは、悔しさを噛みしめつつ、おとなしく反省しましたが、納得できなかったときは、必ず先生に理由を確認しにいきました。
先生方のようになりたいと思った。
C(コピーライター)養成講座の講師陣は、クリエイティブ業界の第一線で活躍する魅力的なスターばかり。そんな中、私が敬愛してやまないのが、全3回の少人数クラスを担当されていた赤城廣治先生と松村祐治先生です。
赤城先生のアツい講義を通して、私はコピーを書くことにどんどん熱中していきました。あまりにも熱中し過ぎたせいか、先生が2回目に出題されたキャッチコピーの課題で金の鉛筆を逃したときは本当に悔しくて、講義後の飲み会で先生にからむという愚挙に出てしまいました。でも、そのとき赤城先生は私を叱咤するどころか、「そうか、そういう考えもあるかぁ。ごめんな。」とおっしゃったのです。先生の器の大きさには、今でも頭が上がりません。
一方、松村先生の絵コンテの課題はひたすら楽しみました。先生は生徒の作品を一切否定することなく、さらに良くするためのアドバイスだけをくださったので、それらを基にCMのアイデアを自由に発想することができました。また、松村先生は生徒を褒めて伸ばすタイプ。単純な私は、先生からお褒めのお言葉をいただくことで、「私、クリエイティブ向きかも!」と錯覚していきました(笑)。
さらに、先生方が楽しそうにお仕事のお話をされるたび、私のクリエイティブ業界に対する憧れも増幅。そして、積もりに積もったその想いが、「Cになる」という新たな目標へと変貌を遂げたのです。
(つづく)
中島 優子(なかじま ゆうこ)
株式会社レマン コピーライター
東京都生まれ。7歳から15歳までアメリカ、ウズベキスタン、ウクライナ在住。多摩美術大学日本画科在学中、声優事務所に所属し、半年間ベンチャー企業にデザイナーとして就職。大学卒業後、アルバイトをしつつ声優業を継続。その後、総合インターネット会社を経て、現職。第52回宣伝会議賞 協賛企業賞受賞。2014年9月、106期コピーライター養成講座 基礎コース修了。
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