電通は29日、仏広告大手ピュブリシスとの合弁会社だった電通レイザーフィッシュを、傘下の電通デジタル・ホールディングス(DDH)が完全子会社化すると発表した。ピュブリシスの持株分19.37%をDDHが取得する。社長は、現電通レイザーフィッシュの得丸英俊氏が続投する。
電通レイザーフィッシュは、電通グループと富士ゼロックス、大日本印刷ほか2社と2001年に設立した「デジタルパレット」が出自。同社は07年に米国の広告会社「アベニューAレイザーフィッシュ(現レイザーフィッシュ)」と資本業務提携し、「電通アベニューAレイザーフィッシュ」に改称。その後09年にピュブリシスがレイザーフィッシュを買収した結果、電通グループとピュブリシスの合弁会社となった。
ほかに電通と大手海外広告ネットワークとの合弁会社には、ピュブリシスとのビーコンコミュニケーションズ、またWPPとの電通ヤング・アンド・ルビカムがある。しかし、いずれも共同で獲得した顧客があったり、既存取引先と同業種の顧客を扱える窓口となったりというメリットがある。電通レイザーフィッシュとはまた事情が異なるのだ。
電通レイザーフィッシュは7月1日付で、社名を「電通iX(アイエックス)」に変更する。社名には「Innovative Experience(革新的な経験価値)の実現を目指す」との意味を込めた。今後は、電通グループの海外デジタル広告会社各社と連携し、事業内容を広げる。
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