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博報堂DYHDの「kyu」による企業買収、4社目はカナダの独立系クリエイティブエージェンシー

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博報堂DYホールディングスの戦略事業組織「kyu」は7日、カナダ・モントリオールに本社を置く独立系クリエイティブエージェンシー Sid Lee International(シドリー社)の株式100%を取得し、完全子会社化したと発表した。買収金額は非公開。

kyuによる企業買収は、米SYPartners社、米Red Peak Group社、米Digital Kitchen社に続く4社目となる。

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1993年に創業したシドリー社は、カナダ(モントリオール、トロント)、オランダ(アムステルダム)、フランス(パリ)、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス)と世界4カ国6都市に拠点を置き、さまざまな専門性を持つ27カ国以上出身の社員約550名が所属している。

広告、建築、デジタルマーケティング、ソーシャルマーケティング、インテリアデザイン、コンテンツ、ブランディング、CRM ・データ分析、イベント・店頭アクティベーションといった幅広い事業領域をカバーし、アブソルート、シルク・ド・ソレイユ、フェイスブック、コカ・コーラ、サムスン、マイクロソフト、インテル、インスタグラム、アディダス、ザ・ノース・フェイスといった大手クライアントに対し、統合マーケティングサービスを提供してきた。

カンヌライオンズ2014では15の賞(ゴールド2点、シルバー5点、ブロンズ8点)を受賞、2014年度フランス産業財産庁の「フランス独立系エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたほか、カナダのマーケティング業界誌『Marketing Magazine』が選ぶエージェンシー・オブ・ザ・イヤーには直近5年間で4度選出されるなど、業界内外から高い評価を得ている。

■Sid Lee International(シドリー社)が手がけた作品「The Joker’s Job Interview」

シドリー社が手がけた、カンヌライオンズ2014受賞作品の一つ「The Joker’s Job Interview」は、ワーナー・ブラザース・インタラクティブ・エンターテイメントが、バットマンシリーズの新しいビデオゲーム「Batman Arkham Origins」の発売に合わせて実施したプロモーション施策。

バットマンがさまざまな事件を解決しながら8人の暗殺者などと戦い、ゴッサム・シティ(バットマンシリーズに登場する架空の都市)の平和を守るというゲームのストーリーにちなみ、プロモーションのテーマは「暗殺者の面接」。簡単なオンラインテストを受け、プロフィール審査を通過すると、ユーザーはGoogle+ハングアウトを通じて、バットマンの宿敵・ジョーカーによる面接を受けることができた。

その面接を通過すると、ゲームのボスキャラ・ブラックマスクとの最終面接に進み、見事選ばれた1名が、“暗殺者”として2000ユーロで契約し、暗殺者など悪役も操作できるマルチプレイヤーモードでゲームを楽しむことができた。期間中、面接を受けた人は250人。時間にして16時間におよんだという。

博報堂DYホールディングスは中期経営計画の中で、「専門マーケティングサービス企業の買収」を成長ドライバーの一つとして位置付けている。今回の買収も、この一環で行うもの。

シドリー社は今後、kyu傘下で独立したクリエイティブエージェンシーとして運営していく。本社は変わらずモントリオールに置き、ベルトラン・セヴェ会長、ジャン=フランソワ・ブシャールCEO、ジェラール・タルディフCFOら現経営陣が続投する。

シドリー社はプレスリリースで、「博報堂DYグループ(kyu)の傘下に入ることで、アジアをはじめとする新たなエリアを含め、シドリーブランドをより広く展開していけると考えている。地元・モントリオールにおける質の高い仕事を軸に、グローバルでの成長を加速させていきたい」との考えを示している。


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