電通は8日、海外本社「電通イージス・ネットワーク」傘下の広告クリエイティブ会社マクギャリーボウエンをシンガポールに進出させると発表した。現地の広告会社マンガム・ギャクシオーラの株式20%を取得し、社名を「マンガムギャクシオーラ・マクギャリーボウエン」に改称する。将来的には同社を完全子会社化する方針もある。
マンガム・ギャクシオーラは2012年設立で、主要顧客は、ニベア、サムスン、スバル、CIMB銀行などで、2014年通期の売上高は219万シンガポールドル(約2億円)。創業者でCEOのスティーブン・マンガム氏は、オグルヴィ・アンド・メイザー・シンガポールのグループ会長を務めた人物。6年間の在任中、売上高を3倍近く伸ばし、社員を240人から600人に増やした実績がある。共同創業者のロバート・ギャクシオーラ氏と、営業責任者のロー・ユーリン氏もオグルヴィ出身。ロー氏は電通クアラルンプールにも10年ほど在籍していた。
マクギャリーボウエンの本社はニューヨークだが昨今、ロンドンや上海、サンパウロなど米国外に拠点を広げてきた。シンガポールはかねてより多国籍企業がアジア向けの拠点を置く地域だが、2015年末のAEC(東南アジア諸国連合経済共同体)発足を控え、さらにヒト・モノ・カネの流動性が増しそうだ。直近ではツイッターが6月11日にアジア太平洋本社を開設した。
新会社でもマンガム氏、ギャクシオーラ氏は共同経営者として引き続き在籍する。また、マクギャリーボウエンの創業者で会長兼グローバル最高クリエイティブ責任者のゴードン・ボウエン氏も参画する。
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