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コラム

長谷川、カヤックやめるってよ。

秋山具義がアートディレクターをめざすキッカケは糸井重里

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【前回のコラム】「はあちゅうが独立してから「やらない」と決めた5つのこと」はこちら

2015年12月31日で面白法人カヤックを退職し、株式会社コピーライターを設立した長谷川哲士が、「若手クリエイターが独立するときに大切なこと」を、同業種や異業種の先輩たちに尋ねて回る!今、コピーライター、クリエイターとして独立するメリットや難しさとは?

今回のゲストについて

第2回目のゲストは、アートディレクターの秋山具義さん。20世紀末の1999年、それまで10年勤めた広告会社から独立した具義さんに、独立に至るまでの道のりや、独立してからの心境の変化などを聞いた。


秋山 具義(あきやま・ぐぎ)
アートディレクター。デイリーフレッシュ代表。

1966年秋葉原生まれ。1990年日本大学芸術学部卒。1999年デイリーフレッシュ設立。広告キャンペーン、パッケージ、写真集、CDジャケット、グッズなど幅広い分野でアートディレクションを行う。主な仕事に、東洋水産「マルちゃん正麺」広告・パッケージデザイン、AKB48『さよならクロール』ジャケットデザイン、NHK BS プレミアム『ワラッチャオ!』キャラクターデザインなど。2009年『ファストアイデア25』出版。
Twitter:@gugitter

子どもの頃から、広告が戦っているところを見てきた

秋山:「長谷川、カヤックやめるってよ。」っていう、この連載のタイトル、最初に見たとき、何言ってるんだ、と思ったよ(笑)。でも、最初のページの前段に、言い訳っぽいことが書いてあったから、いいなと思いました。

長谷川:ありがとうございます(笑)。

秋山:自分をPRするのは大切なことだけど、あまりやりすぎても嫌われちゃうし、バランスが大事ですよね。これからの広告クリエイターは、そういうPRの感覚がないと生き残れないんじゃないかな。

長谷川:具義さんも、Twitterやブログで、いろいろなことを発信していますよね。そういえば、インターネットで具義さんの名前を調べていたら、具義さんの小学校の卒業文集が紹介されている記事を見つけました。やっぱり当時からセンスが突き抜けていたんですね。

秋山:今の時代だったら、先生や親からアタマおかしいと言われちゃいそうだよね。

長谷川:具義さんは小さい頃、どんな子どもだったんですか?

秋山:地元が秋葉原なんだけど、子どもの頃の原体験は、今の仕事に影響していると思います。小学生の頃は自転車で電気街に行って、いろいろなゲームができる「ゲーム会館」のようなところで遊んでいました。中学生のときはアイドルが好きでファンクラブに3つ入っていたし、漫画も好きで800冊は持っていたかな。たぶん、「元祖アキバ系」なんですよね。まだ秋葉原がゲームやアイドルの街ではなかった頃から、秋葉原で楽しんでいた。

長谷川:その頃の体験は、デザインにも影響していたりするんでしょうか?

秋山:よく、綺麗な海のそばで育った人は、そういうデザインになるといいますよね。自分の場合は、電気街のそばで育ったから。電気街の面白さというのは、本来、街に電気屋はひとつでいいはずなのに、ぜんぶ電気屋ってどういうこと?というところだと思うんですよね。お客さんに来てもらうには、隣の店より看板を派手にしなければいけない。その競い合いで、電気街はすごく看板やネオンがすごく派手なんですよ。

長谷川:具義さんはもしかしたら、小さいときからずっと、広告が戦っているところを見てきたのかもしれないですね。

秋山:そう。だから名刺が激しいキラキラのシルバーだったり、蛍光ピンクとか派手な色が好きなのかもしれません。

長谷川:具義さんがアートディレクターを目指すようになったきっかけは何ですか?

秋山:中学生のとき、糸井重里さんの『萬流コピー塾』を読んだり、糸井さんが『YOU』というテレビ番組で司会をやっているのを見て、広告をやっている人は面白いことができるんだな、と憧れていたんですよ。だから広告を目指した最初のきっかけは糸井さんですね。

長谷川:就職活動は、やっぱり広告業界を受けたんですか?

秋山:博報堂に憧れて、入りたかったんですけど落ちてしまって。学生時代に絵のコンペや広告賞を獲ったりして調子に乗っていたんだけど。で、どうしようかと思っていたところに、当時サン・アドにいた友だちの青木克憲くん(アートディレクター)に勧められてI&S(現・I&S BBDO)を受けたら受かったので、そこに決めました。

次ページ 「会社のなかを自分で営業してまわっていた」へ続く


コピーライター養成講座 拡散コース
長谷川さんに加え、藤本宗将さん(電通)・眞鍋海里さん(BBDO J WEST)の3名を講師として、媒体、コンテンツを問わず機能し、拡散していくクリエイティブの在り方について学び、今の時代に「コピーライター」として生き残る術を考える「コピーライター養成講座拡散コース」を開講しています。
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