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「敬老の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方

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川上徹也(湘南ストーリーブランディング研究所)

「広報会議」2015年10月号Facebookコンテンツ入門より転載

このコーナーでは企業や団体が運営するFacebookページの投稿内容などのランキングと、川上徹也さんによる解説をもとに、『広報会議』読者の皆さまへSNS運営のヒントを提供していきます。今回は2014年9月15日のFacebook投稿ランキングから、敬老の日にどんなコミュニケーションを展開できるか、そのヒントを探ってみましょう。

なお、このランキングデータを提供している「Belugaポータル」では、3000超のFacebookページを登録しており、月別または日別でページ全体のいいね!数やその推移、個別の投稿内容への反響などをスコア化することができます。投稿ランキングの指標となるのは①エンゲージメント率(ENG、②~④の合計をファン数で割った数値) ②いいね!数 ③コメント数 ④シェア数の4点。以上からポイントを算出して、ランキングが決定します。

(ユニークビジョン 代表取締役 白圡良之)

Pick UP!

「VWには、現行のモデルだけではなく、歴代のモデルのファンの方々がいますので、その両方の層、および周辺ファンも含め、幅広い方々を意識しています」

開設は2011年5月。全体的な戦略、運営方針などを検討する担当者と、日々の運用・投稿内容などの確認をする担当者とで運営。月に一度、このふたりの担当者と、広報部門、広告会社担当、デジタルエージェンシーのアイ・エム・ジェイが参加して編集会議を実施する。日々の天候やニュースに合わせ、柔軟に対応するよう心がけている。

敬老の日は、企業の先人や商品に敬意を表す

今回のテーマは、敬老の日(9月第3月曜日・今年は21日)です。敬老の日は本来「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことが趣旨の祝日です。企業の広報活動においては、(現役でなくても)会社の発展に尽くした人々や商品にスポットを当てて、その企業の「DNA」ともいえる考え方を発信するチャンスの日とも言えます。2014年の敬老の日における、企業Facebookページの投稿ランキングベスト10を見てみましょう。中でも、上記の趣旨にそった記事をアップした2社の自動車メーカーの記事に注目しました。

5位の日産自動車は、【“敬老の日”に、祝!105歳】というタイトルで、米国日産 初代社長、片山豊氏にスポットを当てています。当日の9月15日は片山氏の誕生日でもありました。片山氏は1935年に日産自動車に入社し、主に宣伝を担当。当時としては斬新な「クルマのあるライフスタイル」を提案する広告をいくつも手がけました。

1960年からは米国に赴任。日産という会社を米国で広めていく重要な役割を果たします。また日産を代表するスポーツカー「フェアレディZ」の生みの親としても知られています(なお今年2月、片山氏は亡くなられました)。ちなみに日産は、片山氏以外にも、2013年に作られた80周年記念サイトに「NISSAN LEGENDS」というタイトルで日産の歴史に残る10人を特集記事にしています。このような試みは企業のDNAを訴える意味でもとてもいいですね。

敬老の日にスポットを当てるのは、必ずしも「人」である必要はありません。その企業の歴史を支えた古い製品であっても構いません。例えば10位に入ったフォルクスワーゲン ジャパンは「時代を築いた先輩たちに思いを馳せて。」というコメントとともに、ブルーのワーゲンビートルの写真を載せています。ナンバーにまだ地名がないことから、かなり古いモデルであることが分かります。敬老の日にぴったりですね。

あなたの会社でも、敬老の日に、企業の先人や商品に敬意を表して記事にしてみてはいかがでしょう?

データ提供:Belugaポータル


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前回の記事「2015年上半期の人気ページに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方」はこちら
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川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所 代表

大手広告会社を経てコピーライターとして独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者としても知られる。近著に『物を売るバカ』(角川oneテーマ21新書)がある。