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第7回 販促会議 企画コンペティション グランプリ決定 企画は「本命酒」

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企画書形式でアイデアを募集するコンテスト「第7回 販促会議 企画コンペティション」の贈賞式が9月2日、東京国際フォーラムで開かれた。

応募作2361点の中からグランプリに輝いたのは、受験生の子どもを持つ母親をターゲットとし「薬用養命酒」を試してみたくなる企画「本命酒」(課題:養命酒製造)。

西岡和也氏、時井統子氏、松本卓也氏、畠山侑子氏、川波朋子氏、原田信宏氏、柴田悠香氏、井町雅一氏によるチームでの応募だった。

応募代表者である西岡氏は、大丸松坂屋百貨店の所属で、前回の第6回コンペでは、課題を出しアイデアを募集する側の協賛企業として参加。「最強のチームメンバーを集めて、今回は企画を応募する側として参加した」と西岡氏。広告主企業や広告会社など業界・会社の枠を超えてメンバーが集まり企画した。

審査員長の嶋 浩一郎 氏(博報堂ケトル 代表取締役社長/編集者・クリエイティブディレクター)は「この10年で広告、コミュニケーションの手法は大きく変化し異種格闘技化している。企業の課題の解決のために、クリエイティブの能力を使うこともあれば、PRのスキル、テクノロジーを使うこともある。その点、人を動かし、物を売るために、どんな技を繰り出してもいい販促コンペは時代に即した賞と言える。企業からの課題もリアリティがある。また応募者のダイバーシティ(多様性)も特徴だ。いま、スキルのあるデジタルエージェンシーが広告界に参入し、ハウスエージェンシーが他企業の仕事もするようになっている。今回のグランプリは、広告主企業が他の企業の課題を解決する形になったが、そうした流れを象徴している」と話した。

販促コンペは、一次審査、二次審査を経てファイナリスト56点が選出され、最終審査でグランプリをはじめ各賞が決定している。

審査の基準について嶋委員長は「人を動かすリアリティとアイデア」を挙げた。

リアリティについては「薬事法、広告表現の制限など、コミュニケーション施策の実現に際して壁となる事項について、もっと勉強したほうがいい。どこまでできるか限界を知っているからこそ、どうすれば乗り越えられるかリアリティを持って考えられる」とアドバイス。

またアイデアについては「昨今は過去のキャンペーン事例がネットでリファレンスできる。既存の企画やイメージを突破していくのに必要なのはアイデア。人を動かす、突き抜けたアイデアで新しい企画を生み出してほしい」と今後の期待を寄せた。

受賞作品の企画書は、特設サイトにて公開中。『販促会議11月号(10月1日発売)でも、企画書を掲載する。

グランプリ「本命酒」
西岡和也、時井統子、松本卓也、畠山侑子、川波朋子、原田信宏、柴田悠香、井町雅一

審査講評:

「受験生を抱える親は体力的に辛いはず。このターゲット設定や受験まで毎日飲んでいくという設定はよくできている。PR的にも受験のための必須アイテムとしてのレピュテーションをとっていけそうだ。その着実に人を巻き込みそうな点を評価した。

医薬品なのでパッケージをいじる(商品名をかえる)のは難しいという指摘が審査員から出た。その部分はチャームではあるが、人を動かすコアな要素ではないと判断し受賞を決めた」

(嶋 浩一郎 氏 博報堂ケトル 代表取締役社長/編集者・クリエイティブディレクター)


「パッと見、養命酒の効果効能と関係なさそうなところを入口としながらも、確実にターゲットにアプローチしていくあたりが巧妙ですね。しかも、しっかりと効果効能に結び付けていくストーリーも見事でした。ひとつ気になるのは薬事法ですね。パッケージをイジるのはハードルが高いかも。展開方法をひと工夫すれば実施の可能性も見えてくるでしょう」

(石田 琢二 氏 アサツー ディ・ケイ アクティベーション・マネジメント本部 第2アクティベーション・プランニング局 プランニング・ディレクター)。


「本命酒は、母の切実な祈りによる願掛けと、しかしそれを軽々とジョークで扱える建てつけと、そんな素敵なバランスがある。今まで無かった家庭に本命酒が潜り込む。社会人になった頃、本命酒とおふくろのお陰だったと軽口を叩いてもらえたら販促冥利に尽きる」

(遠山 正道 氏 スマイルズ 代表取締役社長)


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