【前回コラム】「世の中は“謎”に対する需要であふれていた!「リアル脱出ゲーム」誕生秘話(ゲスト:加藤隆生さん)【前編】」はこちら
※本記事は8月21日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
ポイントはインタラクティブと物語に入り込ませる力
中村:今週も引き続き、リアル脱出ゲームのスクラップ・加藤隆生さんをゲストにお迎えしてお送りします。
権八:パッとリアル脱出ゲームを思いついたというか、こういう脱出ものみたいな謎をかけて、設定してやろうというきっかけは何かあったんですか? それともトライ&エラーをしているうちに辿りついた感じですか?
加藤:Flashゲームの脱出ゲームが7、8年前ぐらいにちょうど流行っていたんですね。社内で「どんなイベントをやりたい?」とブレストをしていたとき、隣にいた女子大生が「私、脱出ゲームにハマってるんです」とポロッと言ったんですよ。「うわー、それだ!」と思って、飛び付きました。
権八:なるほど。
加藤:そのとき、脱出ゲームは僕らみたいなオールドゲーマーが昔を懐かしんで懐古主義的に遊ぶものかと勝手に思ってたんですね。ポートピア連続殺人事件みたいなものの文脈の中にあるのかと思ったら、19歳の女の子が「昨日徹夜でやっちゃいました」と。
中村:へー、若い女の子がハマっていて。
加藤:そんなに最先端な遊びなんだと思って。だとしたら、これはもう1個掘るべきなんじゃないかと思ったのがきっかけですね。
権八:なるほど。みなさん、すごく熱狂してるじゃないですか。どうしてこうみんなが熱狂するのか。何だと思いますか?
加藤:2つあって、1つはネットがだんだん発展してきて、自分が何かを発信して投げかけたものに対して世の中が反応するということにすごく慣れたのかなと。それと、「インタラクティブである」ということにみんなが慣れた状態だから、テレビ、映画、本、マンガとかではちょっと物足らんのかなと。
中村:反応がないと物足りなくなっていると。
加藤:これらはすごくワンウェイなエンターテインメントですよね。だから、もう1個インタラクティブ性というものを求めていて。もちろんゲームってインタラクティブなものだと思いますが、それをリアルな空間で体感できる。もっと強いインタラクティブというのを人々が求めだしたのかな、というのが1つ。
中村:1つめのキーワードはインタラクティブですね。
加藤:もう1つは、世の中の人達が日常の中に物語を必要としたのではないかと。「物語の主人公になったら私はどうなるんだろう」という、もっと入る、そこにダイブする、という体験を随分多方面で人々が求めているような気がしています。
中村:リアル脱出ゲームはまさにお芝居を見ている感じですよね。そこに行ったら、「え、役者は俺?」みたいな感じにちょっと似ていると思います。
権八:面白いのは「公演」って書いてあるじゃないですか。ちょっと芝居の体をとっているというか。
澤本:演劇といえば演劇だね。
加藤:その意識はつくるときからありましたね。演劇から派生している空気を出そうと。そうすると、自分が演じるみたいなところに発想が繋がりやすくなるのかなと。
澤本:謎を解いている途中に自分が演じているという気持ちもなくはないんですか?
加藤:なくはなければいいなと思っているし、それがあればあるほど良い公演だなと。
権八:ホームページを見ると、何時の回の公演とありますが、そこに参加する人達はみんなが一緒にやるんじゃなくて、グループ毎にそれぞれがやる感じですか?
加藤:色々なパターンがあって、1つの部屋に10人だけ閉じ込めて、「10人で協力して脱出してください」というものもあれば、東京ドームに1,500人ぐらい入れて、「さぁ、脱出してください」というときもある。協力してもいいし、1人だけで脱出してもいい。あとは6人チームを50チームぐらいつくって、合計300人でZEPPホールでやることもあります。
中村:みんなが解く謎はどのぐらいの種類があるんですか?
加藤:パズルみたいなものや、なぞなぞみたいなものもありますが、たとえば月面基地からの脱出で言えば、「ここがもし月面基地とすると、矛盾がありますよね」と。この空間が月面基地であるとプレイヤーが信じ込んでいるのであれば、「発射するスイッチはこの場所にあるはずがないので、隣の部屋に行って押さなければいけませんよね」という風に、物語に付随する謎がメインになってきますね。
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