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「日本リテンション・マーケティング協会」が2016年1月始動 顧客維持・拡大のノウハウ共有へ

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既存顧客との関係性維持や育成を指す「リテンション」に重きを置いた、マーケティング手法の共有や人材育成を行う業界団体「日本リテンション・マーケティング協会」が2016年1月に活動開始する。事業会社のほか広告会社、印刷会社などから会員を募り、取り組み事例の共有や講演会、調査などを定期的に実施する。

11月5日に開かれた活動説明会

理事長には、化粧品通販のJIMOS創業者でJスタイル社長の小村富士夫氏が就任した。会員数は現在、事業会社からなる正会員が20社、広告会社や印刷会社、制作会社などの賛助会員が20社程度。正会員には千趣会の大手通販会社、セゾン自動車火災保険などのダイレクト損保、英会話スクールのベルリッツ・ジャパンなどが名を連ねる。正会員をメインに会員を増やし、近いうちに合わせて100社程度まで拡大したい考え。事務局は東京都港区に置く。

リテンションは、マス広告に代表される「アクイジション」(新規顧客獲得)に対する概念として語られることが多く、具体的には見込み客の顧客化やリピート購入、クロス・アップセル、休眠顧客の再購入化、購買頻度の向上などが挙げられる。人口減少で国内市場のパイが縮小しつつある中、アクイジション領域からリテンション領域の比重が高まると見られている。こうした領域のソリューションとして、同協会はテレマーケティングやダイレクトメール、Webサイト、Eメール、データマネジメントプラットフォーム(DMP)、会員制度、マーケティングオートメーションツールなどアナログ、デジタル問わず幅広くカバーしていく考え。

活動は当面、月1回程度の会合のほか、日本消費者行動研究学会との共同研究も視野に入れている。

同協会は5日、既存会員や入会検討社など80人を招き、都内で活動説明会を開いた。小村理事長は、「アクイジションは広告会社の得意とする領域でノウハウも広く共有されてきたが、リテンション領域はブラックボックスだった」と設立の経緯について説明。理事を務める電通ワンダーマンの野口健介社長は、「この領域はデータ活用やシステム、統計解析、コミュニケーション企画、進行と多岐にわたり、1人でカバーすることは難しい。そうした役割を束ねる社内体制やKPI設定の仕方など、日頃クライアントから聞かれることが少なくなかった。こうした場で、これから皆さんと考えていきたい」と呼びかけた。