コラム

アンバサダー視点のススメ

昨今のデジタルマーケターの「転職」や「独立」から考える日本企業の人材育成

share

【前回コラム】「2016年の「広告効果測定」は、一つの施策ごとではなく全体で見てみませんか?」はこちら

日本はマーケターの社内評価と社外評価が乖離している?

画像提供:shutterstock

前回のコラムでは、日本の広告主と広告代理店がイノベーションのジレンマにはまらないために重要なポイントの一つは、広告の効果測定を施策ごとではなく俯瞰的に全体を見ることではないか、という話を紹介させてもらいました。

もう一つ、最近この広告業界のイノベーションのジレンマに関連して話題に上がることが多いのが、デジタルマーケティングが分かる人材の社内における位置付けについてです。ここではあえて「デジタルマーケター」と呼ぶことにしましょう。

昨年は、日本のデジタルマーケティング業界を代表するデジタルマーケターといえる花王の本間充氏と、良品計画の奥谷孝司氏が相次いで転職したことが非常に話題になりました。私自身もお二人にはデジタルマーケティングの取り組みや考え方など様々なことを教えてもらった経験があり、転職のニュースにはビックリしたものです。

こうした転身のニュースが話題になる中で、一つ気になる仮説を日本マーケティング協会の勉強会で耳にしました。それは、日米におけるデジタルマーケティングへの対応に対する姿勢の違いです。

米国においてはCMOがトップダウンで従来の典型的なマスマーケティングからデジタルマーケティングへのシフトを進める一方、日本においてはボトムアップでデジタルマーケティングが分かる人材が周囲の部署を巻き込んで対応しようとする、これはよく聞く話です。ただ、その結果、日本においてはデジタルマーケターの社内評価と社外評価が乖離してしまい、最終的にはデジタルマーケターの転職につながっているのではないか、という問題提起を含んだ仮説でした。

歴史を振り返ると、日本コカ・コーラや日本マイクロソフトでマーケティング部門を指揮した江端浩人氏のIMJへの転身や、ドクターシーラボのネット販売事業を統括してきた西井敏恭氏の独立、ad:techのキーノートスピーカーを勤めたこともあるアディダスジャパンの津毛一仁氏のGoogleへの転職など、業界を代表するデジタルマーケターがいわゆる広告主側の大企業からネット企業に転職したり、独立したりするというケースが増えてきている印象があります。

参考:IMJのCMOに江端浩人氏が就任へ | AdverTimes(アドタイ)

今年に入って、デジタル時代の新しいミュージックフェスティバルとして話題になったTHE BIG PARADEの仕掛け人でもありユニバーサルミュージックでイノベーション担当だった鈴木貴歩氏が独立するというニュースもありました。

そういう意味では、知名度の高いデジタルマーケターの転職や独立は、日本企業に限った話では無く、外資系企業も含んだトレンドということも言えるでしょう。

次ページ 「参考になるのはキリンの取り組み」へ続く

Follow Us