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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

テレビはもはや「次に何が起こるかワクワクして見るもの」ではなくなっている

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「AbemaTV」と「フジテレビ」の動きが心配

ひとつは、AbemaTV。サイバーエージェントがテレビ朝日と提携して、ネット上で映像を配信するサービスです。いまベータ版が既にはじまっており、4月には本格スタートするとのこと。これについて藤田社長が語っているのを読むと、ようするにネット上で放送をはじめようとしているようなんです。

スマホ上に“マスメディア”を。サイバーエージェント藤田社長が語るAbemaTVの狙い

もうひとつは、フジテレビ。今度の4月の改編で15時間連続生放送になるという件。『ごきげんよう』と昼ドラを打ち切って、新しい情報番組を始めるので、その前後と合わせると毎日15時間ずっと生番組になるということだそうです。

私はこの二つの件、両方とも「テレビは次に何が起こるかワクワクして待つ装置だ」という旧来の考え方にのっとっているように見えます。心配です。さっきから書いてきたように、もう“そういうテレビ”は過去のものなのに。

AbemaTVについて藤田社長がインタビューで話しているのを読めば読むほど、“過去のテレビ”をネットで再現しようとしているように思えます。ベータ版を見ましたが、何しろどれも“途中から”番組を観ることになるので、そもそもなにをやっているのか理解するのに時間がえらくかかります。「緩急」の感覚からいうと、そんなの調べてられないです。

AbemaTVが“放送”をめざしているのに対し、LINE LIVEはライブ配信です。ネットでやるならそっちでしょう。放送とライブ配信は何がどうちがうのか、これについては次回に回したいと思います。でもとにかく、全然ちがいますよ。それは藤田社長もおわかりなので、AmebaFRESHというライブ配信もはじめていますが、話を聞くとAbemaTVの方が全然チカラが入っているようです。

フジテレビは去年から「LIVE」と言い出したんですね。LIFE IS LIVEだって。去年の時点で私は「あれ?」と思いました。だって、フジテレビはLIVEから徹底的に離れていって強くなったテレビ局です。台本ナシで無茶苦茶やる「ひょうきん族」から、きっちり作り込む方向に進化して黄金時代をつくりました。それが視聴率とれなくなったからといって、DNAにない「LIVE」を打ち出しても、無理だと思うなあ。

とにかく二つとも、テレビは「何かが起こりそう」だから見るのだという、“欽ちゃん理論”にのっとって進めようとしているように見えます。もしそうだったら、もう間違いだよ、ということになります。

もっとも、それもこれも工夫次第だと思います。どんな工夫があるか、テレビとネットの未来を考える私たちの勉強会に来るとわかるかもしれないなあ。興味ある方は、ここをのぞいてみてくださいねー!

この続きはまた次回、書きますからお楽しみに!