広告業界はフリーランス天国?
では広告業界はどうでしょうか?
みなさんご存知の通り、広告業界は業界の特徴として、他業種と比べてもその循環速度がものすごく早い。予算は長くて年度ごと、細かくは四半期ごとに組まれます。またそれぞれのプロジェクトのスパンも常に短いため、仕事量の浮き沈みがとても激しい。ですので企業としてもフルタイムの従業員をたくさん抱え込むよりも、フットワークを軽くするためにプロジェクト単位で雇えるフリーランサーの需要がものすごく高い。その傾向はこの数年どんどん増している印象を受けます。実際に僕の周りでも、この数年で正社員を辞めてフリーランスになった元同僚が数多くいます。
また多くのエージェンシーではリソースマネージャーと言って、必要に合わせてフリーランサーを連れてくることを主な仕事としている人がいます。言ってみれば、彼らの専門はフリーランサーとのネットワークです。ですので築いたそのネットワークを武器に、自分自身も「フリーランス」のリソースマネージャーとしてエージェンシーを転々としている人がいたりします。なんか面白いですね。
一方で彼らの抱える問題としては、いかに優秀なフリーランサーのスケジュールを素早く抑えるかということです。スキルがあるフリーランサーほど人気が高く、仕事を頼みたくてもすでにスケジュールが埋まっているケースがかなり多い。こうした問題を解決するツールとして最近注目されているのがWorking Not Workingというサービスです。
Working Not Workingでは、ポートフォリオ審査に通過し、優秀と判断されたフリーランスのクリエーターのみがサイトに登録できます。各々のポートフォリオはもちろん、スキルや経験、働けるロケーションと希望するフィー、そしてこのサイトのいちばんのユニークな特徴として「自分のスケジュール状況」を登録します。リソースマネージャーがいちばん知りたい情報、つまりその人のAvailabilityをいち早く知ることが出来る機能です。フリーランサーからしても、仕事依頼の問い合わせに対してひとつひとつ答える労力が省けます。(個人のフリーランサーにとって、こうした問い合わせに丁寧に答えるというのは、意外に労力や時間が取られる作業とのことです。)
エージェンシー側からもフリーランサーからもwin-winなこのサイト。すでに千社を超えるクリエイティブ企業に利用されているそうです。ちなみにこのサイトのファウンダー自身も、元は広告業界でフリーランサーとして働いていました。まさに自分の経験をもとにはじめたサービスですね。
アメリカの雇用形態と、そこから生まれたフリーランスという新しいカタチの生き方。社会のスピードがどんどん増していく中で、このフリーランスという生き方はこれからもっと増えていく可能性がありそうです。
さて、ここサンフランシスコでは、今週からテクノロジー系の大きなカンファレンスが次々と予定されています。大きなところではGoogle I/OにAppleのWWDC。今年はどんな驚くべき製品が発表されるのでしょうか?僕も Google I/O会場にいる予定です。サンフランシスコに来られる方、ぜひご連絡ください!
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