03 甘いスイーツで表現、甘くない男女格差の現状
MRM//McCann、Paul「BITTERSWEET pies」(ルーマニア)
「男性が1年間働いて得るのと同等の賃金を得るために、女性が何日余計に働けばよいか」を示した「Equal Pay Day」をご存知だろうか。国によって多少差はあるものの、女性は男性より3~4カ月ほど長く働かなければならない計算になるという(2016年)。
男女平等は進んでいるとは言え、その実情は国によっても異なる。EU加盟国の中で特に男女間の格差が開いているといわれるのが、ルーマニアだ。
そんな同国で、MRM//McCannブカレスト支社とベーカリーのPaulとが協力し、この問題への関心を持ってもらうためのキャンペーンを実施した。同国における経済的・社会的な男女格差を調査し、結果を“ケーキを使った円グラフ”にしてPaulのショーケースに並べた。「国会議員全体に占める女性の割合は1割」「起業家全体に占める女性の割合は13%」など、データをスイーツに落とし込むことで、女性にも男女格差の現状を知ってもらい、アクションを起こしてもらうことを目的としている。売上の5%はFILIA Foundationという非営利団体に寄付され、職業訓練支援に使われる。
04 使えば使うほど、学力が向上するWi-Fiとは
KFC「KFC_WiFi_Test」(ルーマニア)
子どもの学力低下を問題視するのは、日本だけではない。ルーマニアでも近年、高校生の学力低下が叫ばれており、卒業試験をパスできる生徒の割合は40%にとどまるという。
そこで同国のKFCでは、店内で無料提供しているWi-Fiを活用し、学生たちの学力向上を目的としたユニークな試みを実施した。来店した学生たちがインターネットに接続する際、ネットワーク名「KFC_WiFi_Test」選択すると、過去の試験範囲の中から問題が出題され、正解するとWi-Fiを利用できる。問題は、現役教師の協力を得て作成した地理・数学・歴史・文学の4教科の中から1600問が自動的に出題される。間違えてしまった場合でも、解説つきの正答を閲覧した上でWi-Fiを利用することができる。
「勉強しなさい」と子どもたちを教科書に縛り付けるのではなく、ゲーム感覚で楽しみながら、学力向上のきっかけをつくる本施策。インターネットの活用が当たり前になっているデジタルネイティブに向けた今回の試みは、ルーマニアに限らず、日本を含め世界各国で展開できそうだ。
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