ヤフーは21日、9月末に完了する「東京ガーデンテラス紀尾井町」(千代田区)への本社オフィス移転に伴い、社外の人が利用できるコワーキングスペースを新設することを発表した。社内外のコミュニケーション活性化が狙い。宮坂学社長は同日、都内で開催した株主総会の場で「従業員と社外や地元の方が出会えるように、というコンセプトで新しいオフィスをつくっていく」と述べた。
コワーキングスペースのコンセプトは「『!(びっくり)』を生み出す場所」とし、広さ1,330㎡(402.3坪)のスペースにカフェや会議室、キッチンなどを設ける。登録によって社外からの利用も可能とし、打ち合わせやイベントなど多目的に利用できる。
このほか東京本社に勤務する全従業員約5700人向けには、執務エリアで机を不規則に配置したフリーアドレス制の導入、新たな社員食堂や仮眠スペースの設置なども発表した。
株主総会で本社移転についての質問があり、「一番気を使っているのは、従業員同士のコミュニケーションを増やすこと。今は隣の部門同士で話す機会が少なく、部門と部門を跨いだイノベーションが起きにくい。社内に人と人がぶつかる交差点をつくる。歩いていると色んな人が出会い、会話の中から新しいビジネスが生まれるような試みをやっていく」と宮坂社長は説明した。
ヤフーでは2007年から入居していた東京ミッドタウンのオフィス棟から、「赤坂プリンスホテル」の跡地である「東京ガーデンテラス紀尾井町」(千代田区)に5月から順次移転を開始。9月末に完了する見通しだ。登記変更は10月1日からとなる。
このほか、働きやすい社内風土の醸成のために有志の従業員が中心となって行っている5つのプロジェクトに対し執行役員がサポートする「スポンサーシップ制度」を6月1日から導入した。プロジェクトはそれぞれ「育児」「女性の健康」「女性の活躍」「LGBT」「障害者」をテーマとしている。
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