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コラム

マーケティングを“別名保存”する

企業にとって不可欠な広告は、消費者にとっても「価値」があるのか?

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【前回】「あらゆる「メディア」が終焉を迎える時、企業コミュニケーションの形が変わる」はこちら

ドイツで受けたプレゼンテーションのトレーニングで、こんなスピーチのお題がありました。

“地球が滅亡する。有志の科学者集団が火星にプランテーションをつくり、そこには100人の地球人が50年過ごせるだけの食料が備蓄してある。50年の間に、その100人はそこで新しい持続可能な社会を築き、人類のバトンをつながなくてはならない。自分がその100人に選ばれるためのプレゼンテーションをしなさい”
 
ここで筆者は考え込んでしまいました。プレゼンテーションのテクニックに関してではありません。

ブランドマーケターとしての自分を、100人の1人として売り込む戦略を考えようとしたわけですが、そうして考えてみると、果たして広告宣伝、ブランドマーケティングという仕事は、人類にとって欠くべからざるものなのか?畢竟、人類を幸せにするものなのだろうか?自動車がないと困ってしまう人は多いと思いますが、自動車の宣伝がないと困ってしまう人というのは、いるのでしょうか。
 
広告宣伝がないと、困ってしまう企業は多いでしょう。あらゆるジャンルの商品が供給過多になり、コモディティ化するなかで、企業にとっての広告宣伝、ブランドマーケティングの必要性には、少なくとも現時点においては疑問の余地がありません。

しかし、人類にとっては?その答えはすなわち、地球滅亡という極端な事態を想定しなくても、遠い将来の、もしかしたら近い将来の、我々ブランドマーケターの仕事を占うものになるのかもしれません。

リアル・デジタル空間における口コミで企業や商品のブランドが形成される現代に、広告宣伝が担う役割に疑問を感じているマーケターは少なくないと思います。制限時間いっぱいまで思い悩んだすえ、筆者の作ったプレゼンストーリーは次のようなものでした。

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