あまり知られていない「4C」とは何か?
「4C」という概念をご存知でしょうか。「4P」ほどは、知られていないようです。
マーケティングを学んでいる大学生と話をしていても4Pの話はよく出てきますが、4Cについては知らないことがほとんどです。しかし、この4Cこそ、近年のマーケティングで実際に行われていることに近い概念だと私は思います。
4Cはロバート・ロータボーンが1993年に提唱した概念です。このユニークな点は、4Pを企業という売り込む側からみた「売り手・企業視点」と捉え、これからは消費者側からの「消費者・顧客視点」が大事だと言ったのです。つまり、4Pを消費者・顧客視点から見た価値に置き換えて再定義しているのです。
これは本当によく考えられた概念だと思います。4Pを顧客側からみると、「製品」は「顧客が抱える課題の解決」であり、「価格」は「顧客が支払う費用」であり、「流通」は「顧客にとっての購買利便性」であり、「プロモーション」は「顧客へのコミュニケーション」である、というわけです。
この概念を使って“顧客にどんな価値が提供できるのだろう”と考えると、さまざまなヒントや解決の糸口が見つかります。さらに、企業が行うさまざまな施策についても納得できる解釈が可能です。
またしても個人的な話で恐縮ですが、私は4Cについても印象深い思い出があります。それは随分昔のこと、当時勤めていた広告会社の先輩からのちょっとしたクイズでした。その先輩のマーケターは私に次のようなクイズを投げかけてきました。
「最近、四角いペットボトルの飲料が発売されたけど、どうしてか知ってる?」
そうです、今ではさまざまな種類のペットボトルが普及していますが、当時は丸い形状のものしかなかったのです。答えはもうおわかりですよね。「冷蔵庫のポケットにぴったり収まるように」です。
当時、私はこれが4Pでいう「product」が4Cの「Customer Solution」に変わった瞬間だと妙に納得したものです。つまり、顧客の利便性への配慮がなければ四角いペットボトルは生まれないからです。そして、4Cとは顧客である自分にとっての「便利」や「簡単」、「使いやすさ」を考えることで見えてくるのだなと思ったのでした。
「アンバサダー視点のススメ」バックナンバー
- ファンのモチベーションは企業や周りの人に読まれている意識(ディーライフ)(2018/8/17)
- 視聴者を横串でつなぐマーケティング手段としてのファン施策(ディーライフ)(2018/8/10)
- ユーザーに委ねることで生まれた、多様なクチコミと説得力がカシオ「PRO TREK Smart」成功の秘訣(2018/5/29)
- カシオ「PRO TREK Smart」が取り組む、ファンやユーザーの信頼で紡ぐブランディング(2018/5/22)
- デルが記事広告の出稿をやめた背景、ファンが執筆する記事は「目線」が違う(2017/12/14)
- デルがファンとの交流プログラムで感じた、マスマーケティングとの違い(2017/12/06)
- ファンの声を直接聞くために社長が全国行脚、ケンタッキーフライドチキンの顧客戦略(2017/11/14)
- ケンタッキー「カーネルクラブコミュニティ」、購買データを使ったマーケティングの限界感から開設(2017/10/31)
新着CM
-
マーケティング
充電で乗り換え喚起 アウディ ジャパン、電気自動車向け拠点の日本1号店
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
クリエイティブ
品が良すぎる漫才(有元沙矢香)コピー年鑑2023より
-
AD
Bigdata × Technology 未来の価値を創造する データソリューシ...
-
広報
SNSの声を広報としての判断軸に活かす(広報担当者の情報インプット術/ヘラルボニ...
-
広報
モビリティサービス協会設立、業界の垣根を越えルール作りや提言
-
AD
特集
【Ayudante主催】デジタル時代のマーケティング活用セミナー
-
販売促進
「脳トレ」でドライバーの健康増進、損害保険ジャパン 「運転脳トレ」のNeUと提携
-
クリエイティブ
デコンストラクションで浮かびあがった9つの視点(木村健太郎)~『世界を変えたクリ...