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コラム

「第54回宣伝会議賞」審査員リレーコラム

ニッポンの広告界で「いちばん過酷な競合プレゼン」に臨む皆さんへ

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左俊幸
電通九州CD局クリエーティブ1部 コピーライター/CMプランナー。

1975年8月15日生まれ。主な仕事に「五ヶ瀬ハイランドスキー場」「別府競輪の男達」「高山質店」「スマイルプラザ」「別府温泉の男達」など。学生時代に「夜中にそっと、夫につける。」という養毛剤のコピーで宣伝会議賞の2次審査を通過した経験がある…。

 

宣伝会議賞の応募作品は、過去最大で52万3392点を記録したこともあるそうです。52万社競合の案件は、多分どこにもないと思うので、ニッポンの広告界においていちばん過酷な競合プレゼンだと言えるでしょう。

左氏がコピーライター養成講座に通っていた際のノート。

このような過酷な競合プレゼンに臨む皆さんに、まずもって申し上げたいことは、僕なんかが書いたコラムを読んでいる暇があったら、ひとつでもたくさんのコピーや企画を考えた方がいいということです。

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応募方法や今回の課題37点、審査員一覧などを掲載している『宣伝会議』10月号は9月1日より好評発売中です!

地方都市の全人口レベルの応募数の中でもきちんと目立ち、選ばれていくコピーや企画を生み出そうと思ったら、画期的な手法や近道は多分なくて、自分が本当にイイと思うコピーや企画にたどり着くまで、ただひたすら泥臭く考え続けるしかないと思います。

僕も学生の頃は「一流の人は才能だけでチャチャっと考えてるんだろうなあ…」などと思っていたのですが、プロになっていろんな方々の話を聞くと、超一流と言われているコピーライターの方やCMプランナーの方ですら、皆さんほぼ例外なく、ギリギリまで泥臭く考えている感じがあって驚きました。。

先日のリオ・オリンピックを見て思ったのですが、メダルを獲るようなすごい人たちは、尋常じゃない才能を持っているにもかかわらず、尋常じゃない練習を、尋常じゃない期間に渡って、尋常じゃないメンタリティーでやり切っているように見受けられました。しかもその尋常じゃない環境をちょいちょい楽しんでいる節まであって、基本的にサボりがちな僕は「人間のポテンシャルってそんなにすごいの?」と驚かされました。

例えが大げさだったかもしれませんが、ニッポンの広告界でいちばん過酷な競合プレゼンに参加される皆さんにも、それ相応の覚悟は必要だと思います。分かんないですけど、今日から応募締切の日まで必ず毎日考えてみるとか、応募期間だけはSNSを一切やめてコピーと企画に没頭してみるとか、エロいことをちょっとだけ我慢してみるとか…?

グランプリを獲ったら100万円もらえて、授賞式の会場にいらっしゃる超一流のコピーライターの皆さまと接点がつくれて、雑誌やWebでも紹介されて、あなたの顔と名前とコピーが広告界に広がります。本気で広告クリエイティブを目指すあなたにとっては、全てを賭ける価値があると思います。

超ざっくり言うと「自分がめちゃくちゃイイと思えて、なおかつたくさんの人にめちゃくちゃイイと思ってもらえるコピーや企画。」が、世の中を大きく動かしているような気がします。で、その起点となるのが「自分がめちゃくちゃイイと思えること」です。ですからあなたが好きな、得意な、考えるのが楽しいと思える世界観で、好き勝手に伸び伸びと、楽しんだり苦しんだりしながら、あきらめずに最後まで考え抜いてください。

…などと偉そうに語った僕の宣伝会議賞における最高記録が2次審査通過だったことは、くれぐれもここだけの話にしてください。。