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関西でかたちラボという屋号でコピーライターをしている田中です。ぽかぽか陽気に包まれ、新生活もスタートしましたね。なんて言っている間にGWになっちゃいます。GW期間中は各地でイベントが開催されますが、圧倒的に増えたのが「音楽フェス」。関西でも春・夏さまざまなフェスが開催されるのですが、中でも盛り上がっているのが「無料フェス」です。無料フェスってどうやって儲けるの?続けるのは大変じゃないの?など、湧き上がる疑問を主催者に聞きました。
ITAMI GREEN JAM主催 大原智さんの場合
「関西で戦う。クリエイターの流儀」6回目に登場していただくのは、兵庫・伊丹で、毎年無料フェス「ITAMI GREEN JAM」を主催している大原智さん。もともとご自身がバンド活動をしているとき、所属している事務所の代表が「COMING KOBE」という無料フェスの主催をしていたそう。「COMING KOBE」のようなフェスを地元・伊丹でも開催したい-。その想いから、「ITAMI GREEN JAM」を立ち上げ、現在に至ります。
大原智(一般社団法人 GREENJAM)
2014年、伊丹市昆陽池公園で「ITAMI GREEN JAM」を初開催。2016年全日と2017年1日目は台風の影響により荒天中止となるも、2017年2日目は2万人のお客さんが来場。無料の野外音楽フェスとして、いまや関西最大級規模に成長。2018年は9月に開催予定。
いかにして兵庫・伊丹の無料フェスは、たった半年で開催できたのか?
—伊丹で無料フェスを開催しようと思ったのは、なぜですか?
大原:今、関西で開催している多くの無料フェスは「COMING KOBE」がルーツとなっている場合が多くあると思います。もちろん、僕もバンド活動しながら「こんなフェスを地元伊丹で開催したい」という想いがありました。しかも伊丹市民にとってなじみ深い「昆陽池公園」で。実際、仲間たちと昆陽池公園でフェスを開催しようと動いた時に、行政との兼ね合いも考えると必然的に無料イベントとなりました。
—なるほど。もしかすると、無料でやるように導かれたのかもしれませんね。
大原:「ITAMI GREEN JAM」は今年で5年目を迎えるのですが、初年度から実感しているのは無料の方が応援してもらいやすいということ。もともと兵庫県伊丹市は、「伊丹まちなかバル」をはじめ市民主導型のイベントや取り組みが多く、市民力で盛り上がっているまち。なので、フェスの立ち上げや持続的な開催する上で、伊丹で長年活動している方々やコミュニティから応援やサポートしていただいたことが大きかったですね。
—まちで活動をしている方々をどう仲間にするかもポイントですね!
大原:本当に大きいです。2014年3月にミュージシャンやアーティスト仲間13人とフェス開催に向けての「妄想会議」を開催したんですね。ブッキングを誰にしよう、アートも絡めていこう、など妄想会議する中で一番高かった壁が、会場を昆陽池公園にすること。すると、偶然僕たちが音楽フェスをやりたいというのをまちづくりの重鎮が聞きつけて、伊丹市とつなげてくれました。というのも、どうやら「いつかは昆陽池公園で、アメリカで40万人を集めた野外コンサート“ウッドストック・フェスティバル”をやりたい」という想いがあったらしく、同じような想いを持っている僕らを応援したいと思っていただいたらしいです。で、5月に行政の方々にプレゼン、6月に周辺住民説明会、9月にフェス開催という怒涛のスピード感で実現に至りました。
—妄想から実現まで半年ってすごいですね。市の方々がフェスに可能性を感じた点は何だったのですか?
大原:フェスを通して中心市街地以外を若い世代と一緒に活性化するということです。市民力を尊重した取り組みが多いのは中心市街地で、しかも10〜30代という若い世代の関わりが薄かった。だからこそ、「ITAMI GREEN JAM」は伊丹市としても新たな流れを生み出すきっかけになるのでは?という点に可能性を感じていただきました。
—それは市としても有意義ですね。初回、開催していかがでしたか?
大原:フェス文化のない伊丹で開催したのにも関わらず、約6,000名の方に来場していただきました。警備面の不安や飲食が昼前に売り切れてしまったことなど、来場者の数も多いのでクレームがたくさん入るかな、と。でも実際、クレームはほとんどありませんでした。おそらく無料開催であることと、まちぐるみでたくさん市民の方々も関わっているからだと思います。家族連れからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しんでいる様子を眺めて、僕たちが目指した画を見た気がしましたね。
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